先日お預かりしておりましたスバルフォレスターSJのミラーカバーとAピラーカバーです。
表面はザラザラとした梨地になっていますが、素材が切削性のABS樹脂で、且つ凸凹の目が非常に細かいのでサフェは塗らず、#800の研磨のみ(足付け処理のみ)で上塗りを行います。逆にこれが切削性の悪いPP=ポリプロピレンやPA=ポリアミドだった場合は研磨してもザラザラは取れず、むしろ表面が毛羽立って仕上がりに影響してしまう為、サフェの塗装が必須となります。以前塗ったエアロフィンがそのような感じで、この時事前の想定では上塗りだけでいけるかと思っていましたが、足付け処理をしてみると全然削れなく、なのでサフェで平滑な下地を作る事になりました。
ABS樹脂は塗料との相性が良いので(溶剤型ベースコートであれば)プラスチックプライマーの塗布が必要無かったりしますが、塗って悪い事は無いのと念の為としてABSでも100%塗るようにしています(知り合いの水圧転写屋さんはABSならプライマー塗らずそのまま貼るとの事でした)。
ミラーカバーも元々細かいザラザラがありましたが、研磨のみで表面がツルツルになっているのが判ると思います。
ただ今回は色が濃色と言う事もあり、もしこれがシルバー系=非常にデリケートな塗色だった場合はサフェもしくはクリアーの2度塗りなどをして下地を作ってからの上塗りにしていたと思います。シルバーで特に輝度感が高い場合はちょっとしたペーパー目やフローマーク等の影響が出やすいので、ABS樹脂素地に直接塗るのはリスクが高かったりします。
今回の本塗りの色はスバル純正色の「クリスタルブラックシリカ」(カラーコード:D4S)となります。
ほぼブラックにしか見えないですが、グリーンとホワイトパールが入っています。
肌を荒らさないようウェットに塗り込んでツルツルとした仕上がりにしておきます。
クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。
小物の塗装では極力塗り肌を平滑にしたい為、クリアーが伸びて欲しい角度にした状態で固定しています。
側面だったら垂れてしまうような塗り方でも地面に対して平行にすればクリアーが伸びて塗り肌の凸凹を目立たなくする事が出来ます。
尚、先日ブースの排気浄化装置の水が流れる配管が外れて現場作業が出来なくなってしまったのですが、幸いにしてシルバーウィーク中に復旧出来たのでほぼ仕事に影響が無く済みました。業者さん呼んでいたら一週間は仕事が滞っていたかも知れません。
現在は一部受付制限を設けているのですがそれでも御依頼が絶える事が無く、現時点でも納期は未定、大よその目安は六か月くらいとなっています(日曜日以外GWも夏休みもとっていませんがこの状態が数年続いています)。
今回のように塗装が前提となっている自動車部品であればある程度時間が読めるのでお受付自体は出来ますが、家具や電化製品になると塗装不可能な素材(ポリエチレンやシリコーン樹脂)などが含まれていたり、塗られている塗膜や素地が弱く新たに塗った塗装で下地が侵されて縮れたり、また付属品を分解すると壊れたりしたりして時間が読めない所がある為、そういった物は現在受付を停止させて頂いております。ご不便をお掛けして申し訳御座いませんが何卒ご理解下さいませ。
ぱっと見はソリッドカラーの黒に見えますが、近くで見るとパールの粒々があるのが判るかと思います。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
残るはいよいよ「半艶の黒」ですね。こちらが最も難しいので、事前の準備(ブース内全ての清掃)を万端にしてから挑もうと思います。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!




