大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたルノー純正部品のシャークアンテナ塗装、本日完成となります。
最初の状態も紹介します。
見本に合わせて調色作業を行ない、
ルノー純正色の「ジョンシリウス」(カラーコード:J37)で塗装を施しました。
クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。
塗膜構成としては、カラーベース→パールベース→トップコート(クリアー)の3層パールカラーとなります。
先日調色作業を行なっておいたルノー純正部品のシャークアンテナです。
元々新品塗装済み品だったので傷などは無く、#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理を行いました。
フチは台座のゴムで隠れますが、一応内側までしっかり色を入れておくようにします。この辺はプラスチック素地が露出しているのでプラスチックプライマーも塗っておきます。
まずは下色として適当な白(VWキャンディホワイト)を塗ります。
今回は3コート塗装となるのである程度の膜厚が付きますから(6コート程)、ベースコートにはハードナーも添加しておきます。
続けてカラーベースのイエローを塗布します。このカラーベース自体も隠蔽力が弱く、そのまま黒の上に塗ってもコート数が多くなってしまう為、その防止として白を塗っています。
白+カラーベース3コートで、合計4コートとなります。ここでもベースコートにはハードナーを添加しています。
本体スタンドックスの溶剤型ベースコートではハードナーの添加は必要なく、それの理由としてはこの後に塗るクリアー中のハードナーがベースコートに浸透して2液反応する為です(2Komponente。componentで無いのはドイツ語だからだと思います)。ただ膜厚が大きくなるとハードナーがベースコートの奥まで浸透しきらなくなる為、それの補助的に使う訳ですね。
ただクリアーも新たな物が開発~販売され、それが既存の溶剤型ベースコートと相性(密着性)が悪くなってしまう事があるので、その場合は全ての場面においてベースコートへのハードナー添加が必須となる訳です。当店の場合だとVOCエクストリームプラスクリアーを使う時などがそうですね。
そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!
クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。
ルーフアンテナは一時期業者さんからの御依頼も受けていたので、トータル500個は塗っているかも知れません。
業者さんからの御依頼だと同じ色を何個も同時に塗るので(それこそ数百個とかも普通です)、利益的に考えるとそういった仕事の方が良いのですが、如何せん全く面白くないと言う事もあって今はBtoCでのご依頼が殆どになっています。一部BtoB=企業様からの御依頼も受けていますが、今残っているのはやっていて楽しい案件だけですね。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!
先日お預かりしておりましたルノーシャークアンテナです。
今回は調色作業も承っていますので、こちらのパーツを参考に色を作製します。
まずは配合データを基に色を作ります。ルノー純正色の「ジョンシリウス」(カラーコード:J37)ですね。
奥がカラーベース、手前がパールベースの3コート塗装となります。
通常の2コート塗装であれば色板にそれを塗るだけで色味の確認が出来ますが、今回のような3コート塗装の場合はそれぞれのスプレーガンを用意し、実際にカラーベースとパールベースを塗り重ねないと色味が判らないのでどうしても手間が掛かります(とは言っても先にパールコートの影響を受けにくい透かしの方を先に調整する事である程度の短縮は出来ます)。
またコート数も多くなるので色板一枚塗るのにも時間が掛かります。なのでその間に足付け処理などの下地処理を進めていくような感じですね。
パールベースにはこちらのグリーンパールが主に使われていて、それにオーカーと鮮やかなイエローの計3種で構成されています。
上の画像は蛍光灯下での透かしでの色味です。パール感は殆ど感じないのが判るかと思います。
こちらは蛍光灯下で見た正面で、パール感が判るかと思います。パールは光源を正面にした時に見える効果があります。
こちらは斜め45度くらいから見た感じですかね。それぞれ色味の確認の為にシリコンオフを塗って艶を出しています。
さらに近づけたり離したりして、違う環境下で色味の違いを確認しながら微調整を行っていきます。
3コートパールでは塗り方によっても色味が変わるので、調色時には実際の本塗りを想定してどれくらいの膜厚を着けるかも確認しておきます。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!
先日までにメッキ剥離作業&検証を行っていた新型フォレスターのスバルエンブレムです。細部までをチェックし、ようやくクリーンな状態になりました。
ただまだ安心はできず、次に行うクリアー下塗りを経てようやく先が見えるといった状況です。ここまでやって割れるという可能性がまだあるんですよね。
メッキされていた箇所の足付け処理を行います。他の部分は既存の被膜を削り落とす際に研磨しているので足付け処理は済んでいますが、メッキの所は艶々した状態なのでそのまま塗装を行っても密着せず、なので細かい傷をつけて被塗面積を増やし、アンカー効果を期待します。
先の足付け処理時に使うウォッシュコンパウンドには洗浄成分も入っているので脱脂効果もあるのですが、ここでもシリコンオフを使っての脱脂処理を行います。
平面の場合はシリコンオフを使ってウエスで拭き取るだけでOKですが、今回のように凸凹した箇所がある場合はそれだと出来ない箇所=今回の場合だと☆の角の行き止まり部分はそれが難しいので、シリコンオフをスプレーしてブラッシング→エアーブローを2回程繰り返して最後にウェスで拭き取っています。
まずはプラスチックプライマーを塗布します。ウェットに塗るとクラックが入ってしまう恐れがあるので、ここでもしっかりフラッシュオフタイム(コート間の乾燥時間)を設けて素材を侵さないよう丁寧に行います。
クリアーは常温で硬化するタイプのエクストリームプラスを使用しました。
クリアーコートなら素材を侵し難いですし、万が一ここで細かいクラックが入ってもクリアーで埋めるのでこの後に塗る色(シルバーメタリック)にその模様が出なくなるという算段です。
ちなみに当初はこういったクリアー下塗りも行っていませんでしたが、一度そういったトラブルが生じた事があった為、その後は全てこの仕様で対応しています。物価の上昇もそうですが、こういった付帯作業が増えていくにつれてトータルの金額も上がってしまう感じですね。何卒ご理解頂ければと思います。
先日より裏側のメッキと被膜を剥離している新型フォレスターのスバルエンブレムです。青と黒の被膜が剥がれて来てからようやく大きな変化が現れ始めて来ました。
薬品でほぼほぼ既存のメッキと被膜が剥がれて来たので最終チェックを行います。
尚、以前は残ったメッキと被膜の確認に絵の具を使っていましたが、何かしら白い物を下に敷くと比較的簡単に確認出来る事が判りました。
こちらは大きい方のエンブレムで、表面からは問題無さそうです。
こちらは小さい方のエンブレムですが、一部青い被膜が残っているのが判ると思います。左上のフチの辺にもありますね。
被膜が残ったまま塗装してしまうともう後戻りが出来ないので(それこそここまで来て部品交換という可能性もありますので)、六連星部分の塗装を行う場合はかなり気を遣います。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。次こそクリアー下塗り出来そうですね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!