レンジローバーオーバーフェンダー塗装 完成

大変お待たせしました!先日磨き作業を行なっていたレンジローバー2nd純正オプションのオーバーフェンダー塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な未塗装樹脂素地の状態で、

表面は凸凹とした模様があり、

また素材が柔らかいPU樹脂素材=軟質ポリウレタンの為、持つとグニャっと簡単に曲がってしまうような物でした。

なので一般的なプラスチック素材のようにサンディングで表面を削る事が難しく、

「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理工程を3回繰り返し、

さらに一旦下塗りを行ってから本塗りで仕上げています。

裏側には変形防止の為にPDF材を当て板として取り付けていますが、

実用していて塗膜が割れないようにと、全ての工程で軟化剤を入れたフルフレキシブル仕様の塗装となっています。

色は見本帳から車体色に合う物を選んで頂いたポルシェ純正色の「graphit」(カラーコード:691)となります。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

BMW等の社外品(M等)で同じような軟質PU素材のパーツ=フロントリップスポイラーやサイドステップ、リヤスポイラー等の施工経験はありますが、今まで塗って来たそれらはある程度しっかりした厚みがあるので片手で持っても大きく変形するような事は無かったのですが、今回程のフニャフニャ素材は今までに経験が無く、ある意味新しいチャレンジでもありました。

幸いにして今の小物専門の塗装屋になってからは色々な素材を塗るようになったので、大きな抵抗無く対応が出来たのだと思います(一般的な車の塗装屋さんならドン引きする柔らかだと思います)。

ネックとしては塗装後の磨き作業で、軟化剤を入れたクリアーは磨き難いので、そこで少し手間が掛かった所ではあります。

一応オーナー様には事前に「いつも通りの仕上がりにはならないかも知れない」(素材が削れないので凸凹は残るかも知れない)旨をお伝えしてありましたが、

既存の自動車ボディと遜色ない塗膜に仕上がっているかと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠にありがとう御座いました!

レンジローバーオーバーフェンダー 磨き処理

先日本塗りを終えていたレンジローバー2nd純正オプションのポリウレタン製オーバーフェンダーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、最後に磨き処理を行います。

塗装表面についたブツ(埃等)は#1500の水研ぎまたは砥石を使って平滑にし、その後#2000~#3000でペーパー目を均したらコンパウンドを使って磨きしょりを行います。わずか1ミリのブツでも最終的には直径15センチメートルくらいの範囲になるので、結局最終仕上げ(ハード2)の磨きはオーバーフェンダー全体になります。

磨き処理が終わったら、裏側のマスキングを全部剥がします。

ただしこのままだと運搬中に曲がったりして塗装が割れてしまうなんて事も無いとは言い切れないので、

変形防止の為に作っておいた当て板を再度貼り付けておきます。今回はガムテープでは無く、取り付ける板金屋さんが剥がし易いようマスキングテープにしておきました。

あともう少し寝かした後に撮影~梱包を行なったら完成となります。

あのフニャフニャで凸凹だった状態からよくここまで来たなぁと思います。あとは無事に取り付けてくれるだけですね(念のためですが今回の塗装が割れないようやれるだけの事はやっています)。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルエンブレム 下準備

先日お預かりしておりましたスバルレガシイBL前期型純正エンブレムです。作業のタイミングとしてはまだ早いのですが、今まで施工事例が無い物と言う事で検証を兼ねて先に裏側の被膜を剥がしておく事にしました。

参考までにこれまで行ってきた一般的なスバルエンブレムを紹介しますね。

通常であれば六連星の背景にはドット柄の模様になっていて、

裏側はこの様な青い被膜になっているのですが、

今回のこちらのエンブレムは裏側が黒いのです。この様な仕様は見た事が無かったのでどうなっているのか確認しておきたかったんですよね。

作業はいつものように#120→#180のダブルアクションサンダーで粗研ぎを行い、その後#180→#240→#320→#400の手研ぎでペーパー傷を均します。

今回は背景をキャンディーレッドで承っておりまして、元の青が残っていると非常に目立ってしまいますから、虱潰しにしっかり削り落としておきます。

このままだと傷が粗い(深い)ので、その後#600→#800の水研ぎでペーパー目を細かくし、

ペーパーが当たらない六連星の凹んだ部分はナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理を行います。

フチについた被膜もしっかり除去しておきます。

最後に光に当てて青い被膜が残っていないかしっかり確認しておきます。

その後よく清掃し、表面をマスキングして芯棒に固定します。

よく脱脂したらエアーブローをして埃を飛ばし、プラスチックプライマーを塗布します。

続けてクリアーを塗ります。こちらは本塗りの前の下塗りですね。いきなり赤(ベースコート)を塗るとアクリルに割れが生じる場合があるので一旦下地を作っておくような感じです。

この後は一晩自然乾燥させ、恒温器で保管しつつ他のご依頼品と一緒に熱を入れて硬化させておきます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

レンジローバーオーバーフェンダー 本塗り

先日下塗りを行っておいたレンジローバー2ndの純正オプションオーバーフェンダーです。その後60℃40分の熱を2~3度程掛けて塗膜をしっかり硬化させておきました。

ゴミが着いた箇所や素地が悪い部分を#800で均し、全体を#1500で水研ぎ、その後#800~#1300相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン→オレンジ)で足付け処理を行いました。

棚板に置いた際にフチが下にくっつかないよう、裏当てを貼っておきました。

棚板に並べ、よく脱脂清掃したら本塗り準備完了です。

ちなみに今回は手で持って塗れないので、

先にフチの裏側箇所に色を入れておくようにします。

車体に装着すれば見えない筈ですが、もしかしたらフチの隙間から見えてしまう可能性もあるので、

ここにも色を入れておきます。

十分に乾かしたらひっくり返して元に戻し、

表面にベースコートを塗布します。

色はポルシェ純正色の「graphit」(カラーコード:691)となります。

肌を荒らさないようウェットに3コート程塗りました。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

ここでもクリアーには軟化剤を入れています。

サフェでは軟化剤を20%、下縫り(黒)も20%、今回はこれを15%としています。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルエンブレム(スモーク&枠艶消し黒)塗装 完成

先日本塗りを終えていたスバル純正エンブレム前後です。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

予め作成しておいた両面テープを貼って枠とプレートを固定したら完成です。

大変お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な状態だった物に、

メッキの枠を艶消し黒に、

アクリルプレートにスモーク塗装を施しました。

それぞれ単に塗るだけでは無く、装飾クロムメッキの枠は通常の塗膜と同様の密着性が得られるよう下地処理を行った上で上塗りを行い、

アクリルプレートは一旦クリアーのみで下塗りを行って微細なクラックの発生を抑えています。自家塗装を行った事がある方なら判るかも知れませんが、よく見ると細かいクラックが生じていたりしますよね。特に既に紫外線を浴びて劣化した中古品の場合はその確率が高くなっているかと思います(ただそこまで目立たないですし、ご自身の物と言う事であれば問題無いかと思います)。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

アクリルプレートは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

  枠は艶消しクリアーで、

こちらも缶スプレーのような塗料(1液ラッカー艶消し黒)とは違い、ポルシェやメルセデス等のボディの塗膜と同様の物となります(2液性アクリルポリウレタン塗料)。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!