ギター 本塗り

guitar16先日塗っておいたサフェーサーが完全硬化したのでそれを研ぎつけいよいよ本塗りとなります。

ただギター表面には無数の小傷があるのでそこは先にラッカーパテで埋めて起きます。これは所謂「拾いパテ」と呼ばれる方法で、本来の修理方法とは違いますが簡易的に出来るので「おまけ」で行うような作業では重宝します。ちゃんと直すならば総剥離に近い作業になってしまいますからそうなると流石にブリッジも外さなければなりませんしね。多少の跡は残るとしてもやらないよりは全然宜しいかと存じますので。

guitar17そしてマスキングをして本塗り準備完了です。塗装範囲は角のプレスラインまでで、このアールを使ってベースコートの黒、そしてそれを少し覆うようにクリアーを塗ります。ただしクリアーはバツ切りになって段差が付かないよう、それに対応したマスキングを行っておきます。ヒラヒラしたような貼り方ですかね。それをベースコート用・クリアー用として二重に貼っておきます。

guitar18そして本塗り完了です。ベースコートは中央から周りに向って放射状にぬるような感じでフチの近辺には出来るだけ飛ばないようにします。クリアーも最初はそれと同様の塗り方で、最後にシンナーで希釈した「ボカシ用クリアー」の時だけ周りから中央に向けた方向でスプレーをします。確実にベースコートの黒を覆いつつクリアーの段差が極力付かないようにするのです。ちょっと説明するのが難しいですが要は仕上がった時に「ここで切ったの?!」と判らないようにする為に色々と工夫をしているという事です。この「プレスラインボカシ」は自動車の塗装ではよく使われる方法で特に難易度の高い作業ではありません。

クリアーは本来であれば60℃以上に熱を入れる必要がありますが、ギターの特性上それは避けたいと思いますので代わりに促進剤を入れておいたのと、後はもう少し低い温度で長い時間を掛けて徐々に硬化させていきたいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!