Wilson テニスラケット サフェ入れ

wilson2 先日お預かりしておりましたウィルソンのカーボン製テニスラケットです。

wilson3 旧塗膜はここまで剥がすつもりは無かったのですが、やはりと言うか自転車カーボンフレームの塗装と同じく怪しい層があったのでそこまで削り落とす必要がありました。具体的に言うと、下から艶のある赤が出てきました(実際はつや消し仕上げで、足付け処理がされていれば下から艶のある層が出てくる事はあり得ません・・・)。

それにしても自転車フレームよりもボディが細見なのでエアーツールは殆ど使えず、ほぼ手作業での研磨作業となっています。

wilson4最終番手は#240まで均し、さらに外周のグロメットが嵌る溝の部分は#320→#400 まで仕上げました。

wilson5 と言うのも、ここに塗膜が着くとガットを固定する為のグロメット?が嵌らなくなる為、極力塗膜を付けたくなかったのです。

サフェーサーは全部で6コート塗りましたが、溝の部分は最後の2コートのみにしたかったので最初はマスキングしてあります。6ミリ幅のマスキングテープを半分程織り込んでフチがペラペラ捲れるようにして、それを左右に展開するように二重に貼ってます(上手く説明出来なくてすいません。車の塗装屋さんならこの異様な作業が判って頂けるかもです)。

wilson6 穴の裏側が塞がっていればエアーが通る事も無いので、結果内側から塗るサフェーサーも穴の中に入らずに済みます。スプレー塗装の弱点は空気止まりの所に塗料を塗着させる事が出来ず、それを利用した感じです。

wilson7 ラケット下部の方には溝が無い為、ここのみ穴の中に詰め物をしました。綿棒の先端をカットして詰めています。ただしこの場合、塗料の表面張力により穴の周りに余計に塗料が溜まってしまう恐れがあるのでここは塗り方に注意して対応します。

wilson8 全体にサフェーサーを4コート塗った時点で溝に貼ったマスキングテープを剥がしました。

wilson9 5コート目からのサフェーサーはシンナーで希釈してさらに膜厚が着くのを防ぎ、2コートのみに留めています。

wilson10溝の部分も穴の中もサフェーサーの膜厚は極力抑えられたと思います。

この後60℃40分程の熱を掛けてサフェーサーを完全硬化させたら再度全体を研ぎ出します。一応旧塗膜の剥離の段階で既存のラインを損なわないよう気を付けて研いでいるのでそんなに激しく研ぐ必要も無いと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!