HEADテニスラケット×3塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたHEADのテニスラケット3本の塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な市販品の状態で、

それぞれの塗膜を剥がし、

新たに艶あり黒の塗装を施しました。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

既存の塗装を剥がした後は「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった作業で下地を整えてからの上塗りとしています。

また今回は参考までに各重量も計測しています。グリップ部に巻いていたマスキングテープとガムテープを剥がし、最終重量を測ってみます。まずは黒いベタベタしていたラケットですね。

こちらは元々237.1グラムで、塗装後では239.8グラム、今回の塗装では2.7グラム増えた結果となりました。およそ1%増えた感じです。

こちらの赤い方は最初は225.0グラム、

塗装後は225.7グラムなので、今回の塗装では0.7グラム増えた結果となりました。先程の黒いラケット方と差がありますが、上塗り自体ではさほど遣り方は変わっていないので、恐らくは下地=サーフェサーを塗った量(削った量)によるものだと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

HEADテニスラケット×3 本塗り

先日サーフェサーを塗布しておいたHEADのテニスラケット3個です。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、全体を#600→#800で研磨、その後当たりの柔らかい布状研磨副資材(アシレックスレモン)と#1500でペーパー目を均しています。

サーフェサー塗布後の重量も計っておきました。

ベタベタしていたラケットは元々237.1グラムだったので、現在0.1グラム増となります。旧塗膜剥離後は223.9グラムだったので、サーフェサー分で13.3グラムですから結構増えた感じですが、グリップ部にマスキングテープとガムテープを貼っているのでもう少し下がる筈です。

赤い方は223.8グラム、こちらは元々225.0グラムで、剥離後の計量では216.2グラム、サフェとマスキングテープ分で7.6グラム増えた感じですね。

それぞれは本塗り後にも改めて計ってみようと思います。

よく脱脂清掃し、エアーブローをしたら本塗り準備完了です。

ラケットの内部は空洞になっていて、そこにもサフェの研ぎ汁が入っていますから、しっかり洗浄しておきました。

グリップテープを巻く場所は見えなくなるのでここは塗らず、ただ塗装した境界線で激しい段差が出来るのは嫌なので、テープを織り込んで暈すようにしています。

まずはベースコートの黒を塗布します。

肌が荒れないようしっかりウェットコートに塗り込み、その後は10分程自然乾燥させて乾燥を3~4回程繰り返します。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

ちなみに塗る時はラケットを左手に持ってスプレーしています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めてご連絡を差し上げます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

HEADテニスラケット×3 サフェ入れ

先日サフェ入れ前の下準備を行っておいたHEADのテニスラケット3個です。

ラケット内側の穴にはサフェを塗らないよう、アクリル板をカットした物を詰め込んでいます。

外側はグロメットが装着されると見えなくなるので、この部分のサフェは薄く塗る感じで、ただそのままマスキングテープを貼るとバツんと激しい段差が出来てしまうので、6mm幅のマスキングテープの端1mmくらいを織り込んでヒラヒラとなるようにしています。難しそうな感じですが、自動車補修塗装ではこれを多用するので、慣れれば比較的簡単に出来る方法です。

サフェを3コート程塗ったら 、

外側のマスキングを剥がします。

写真は撮り忘れてしまったのですが、マスキングをする前にはナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使い、穴の内側(側面)も足付け処理をしてあります。

さらに2コート塗ったらサフェ入れ完了です。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

HEADテニスラケット×3 下準備

先日旧塗膜を剥離していたたHEAD社のテニスラケット3本です。

この後はサーフェサーの塗装なのですが、内側のグロメットの穴の中にサフェを入れたくないので、ここをマスキングします。

今まではこのような感じで丸めた紙を差し込んでいたのですが、今回3本全部でそれをやるのは非常に大変なので、

レーザー加工機を使ってマスクを作る事にしました。

穴は微妙にサイズが違ったりするので、2種類の径で作っています。

レーザー加工機でのカットは、レンズから対象物までの距離の違いからテーパー状になる傾向があり、今回はこれを利用します。

完全な円柱だったら穴の中に落ちてしまいますが、丁度良いサイズにカットする事で穴を通らず、しかしながらしっかりと嵌ります。

出ヅラが違うのは穴やマスクのサイズの違いによる物ですのでこれは気にしなくて大丈夫です。

と言う訳でサフェ前のマスキングがある程度し、あとは貫通した箇所は今までと同様紙を丸めて差し込む方法とします。しかしこれだけでも今までに比べて数時間短縮出来ました。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

HEADテニスラケット×3 旧塗膜剥離

先日お預かりしておりましたHEAD社のテニスラケット3本です。

一応作業前に重さを測っておきました。

黒いラバーコートが施されていてベタベタしていたラケットは、237.1グラムでした。

劣化していたラバーコートを溶剤で拭き取り、 ダブルアクションサンダー&手研ぎで旧塗膜を削り落とします。

塗膜は比較的薄く、重量的にはラバーコートの方が大きかったような気がします。

剥離後に再び計量してみると、223.9グラムでした。最初の状態から13.2グラム減った事になります。比率で言うとおよそ5.56%軽くなったような感じですかね。

こちらはラバーコートは施されていない、普通に塗装された方のラケットとなります。同じ物なので計量は片方のみにしました。ちなみに画像だとグリップ部をマスキングテープとガムテープで養生していますが、計量時はこれを貼らない状態で計っています。

こちらは225.0グラムでした。元々黒いラケットより12.1グラムも軽いんですね。

こちらも同じ様に#120で機械研ぎ、#180→#240手研ぎで旧塗膜を剥がします。ちなみに完全に剥がすという訳では無く、下地に使われているグレーの塗膜(恐らくはエポキシ系プラサフ)はそのまま残しています。それを無理に削ろうとすると本体のカーボン地を削ってしまう為ですね。

ラバーコートのラケットに比べると、削った塗膜の量としてはこちらの方が多い感じです。

ちなみに以前、マグネシウム素材を削って出たこういった粉を集めて火をつけてみましたが、理科の実験で見たようなマグネシウムリボンのような激しい燃焼は見られませんでした。粉の状態なら集めただけよりも、空気中に分散させて粉塵爆発みたいにさせた方が威力が強くなるのかもですね(まあしませんが)。

剥離後の計量では216.2グラムとなり、元の状態から8.8グラム減りました。黒いラケットよりは少ない感じです。

と言う訳で剥離作業が完了です。

グロメットが刺さる穴の内側にはサフェを塗らないようにしたく、今までは小さく切った紙片を丸めて穴に差し込んでいたのですが、今回はここのマスキングを今までとちょっと違う方法で試してみようと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!