BMWトップカバー 本塗り

先日お預りしておりましたBMW R1200RTのトップケースのカバーパネルです。

少しタイミングは早いのですが、業者様からの御依頼で同色系の塗装があったので並行して作業を進行しておりました。

裏側は取り付け固定部のみマスキングをし、フチから裏に回り込んだところまで色を塗るようにします。

最初にシリコンオフを使い全体の脱脂清掃を行います。

 BMWの艶消し塗装はちゃんとクリアーが塗ってあるので、まず最初に#800の水研ぎで肌の凸凹を均します。

尚、艶消し塗装ではクリアーを塗っていないケースが多く、そうなると紫外線で劣化して以下のようになってしまいます。

VW GOLF5 GTIフロントグリル塗装承ってます

 その後はスコッチブライトとウォッシュコンパウンド(研磨材を含む洗浄剤)を使い、全体の足付け処理を行います。

 スコッチやペーパーが当たり難い箇所はヘラを遣ったり、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを併用して隅までしっかり足を付けておきます。

 水で洗い流し、良く乾燥させます。

本塗りのタイミングが来たら台に固定し、シリコンオフを使って最終脱脂を行います。

 まずはベースコートを塗布します。色はBMWの純正色「ALPINEWEISS Ⅲ」(カラーコード:300)となります。

 ベースコートは単に色を着けるだけの作業と思われがちですが、この時の仕上りが後々まで影響する為、実際にはクリアーを塗るよりも神経を使ったりします。

特にシルバーは一度肌を荒らしてしまう延々ムラが取れないので、自動車塗装の業界では「ベースコートはSATAのガンじゃないと」と言う塗装屋さんは多いです。

ベースコートが十分に乾いたらクリアーを塗って本塗り完了です。

 今回は塗装面が結構大きいので通常は口径1.3mmのガンを使いますが、今の時期は気温が低く塗装表面の乾燥が遅い為、今回は先日行った模擬ワークショップの時と同様、口径1.0mmのIWATA低圧ガンを使いました。

組み付けた時に元の色(シルバー)が見えないよう、フチから回り込んだところまでしっかりと塗ってあります。

この後一日自然乾燥させ、60℃40分程の強制乾燥を行って完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!