セドリックグリルメッシュ 下塗り

 先日旧塗膜の剥離を行っていたセドリックのグリルメッシュです。

現状は金属が光っているような状態で、これにプライマーを塗っても十分には密着しませんから、細部までの足付け処理としてサンドブラストを行います。

 縦横裏表8方向からブラストを当てました。

 素地の表面が凸凹になり、この後塗装するプライマーの投錨効果(アンカー効果)が期待できます。

 その後シンナーで洗い流すように洗浄し、直ぐにプライマーを塗ります。

 まずは置いた状態で、片面ずつ隅々までプライマーを塗布します。

 その後は針金を通して吊るし、

 サフェ―サーを塗布します。

 サフェーサーは当初ウェットオンウェット用のノンサンディングプライマー(サフェーサー)を使う予定だったのですが、今回軟化剤を入れたかったので、いつも通りのシステムフィラー(どちらもSTANDOX製品)を使う事にしました。

ノンサンディングプライマー(サフェーサー)では軟化仕様にした記憶が無く、またマニュアルを見てもそれらしい記述が無かったので念の為止めておいたという次第です。

ちなみに色が濃いのは2Kエナメルの黒(ワンコートソリッド用塗料)も若干混ぜているからで、ちょっと専門的な事になりますが、この塗装の内容は「システムフィラー+VOC2Kエナメル黒+ソフトナーニュー+ハードナー」となっています。

 さらにその後、同じく軟化仕様にしたクリアーを塗りました。

 サフェーサーに色を着けたのは見た目を判り易くする為だけで、素地が白だと細かい個所が判り難いのでグレーにしているだけです。クリアーの前に色(ベースコート)を入れるか、もしくはクリアーでは無く1コートソリッド(色の着いたクリアーのような物)を塗るという方法もありますが、今回は工程も省けて機能性も高められるこの方法にしたという訳です。

なぜこんな面倒な事をしているかと言うと、元々あった塗膜は恐らくドブ漬けで塗られていて、普通にスプレーで塗っただけではあの厚みを表現が出来なく(かといって当方がドブ漬けをするのはあり得なく)、それの再現の為に十分な膜厚を充填出来るようこのような工程にしています。

クリアーはレベリングが良く、且耐タレ性能も高い「クリスタルクリアー」を使い、さらにシンナーは規定の15%希釈を5%に減らしてわざとボッテリした仕上りになるようにしました。

が、やはりスプレーコートだけではまだちょっと足りなく(それでもウェットで8コート塗ってます)、この後一旦熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、再び全体を足付け処理してもう一度下塗りクリアーを塗ろうと思います。

本塗りでは少し特殊な3コート塗装で、またそれは半艶クリアー仕上げなのでそこで膜厚を着けるような塗装をするつもりは無く、なので下塗りでしっかり下地を作っておきたいと思った次第です。

ちなみに一度の塗装で塗膜を厚くし過ぎるとトラブルが生じる恐れがある為(ブリスターやクラック等)、どちらにしろこの辺で一旦熱を掛けて一塗膜として完成させる必要がある訳で、またこういった塗膜が厚くなってもワイヤーメッシュの動き(歪)に追随するよう軟化性を持たせたと言う訳です。ちょっとややこしくてすいません。

それではまた作業進行しましたら紹介をさせて頂きますね。少し予定よりも長くなりますが、どうぞもう少々お待ち下さいませ!