BMW R1200RTトップケース&パニアケースカバー 調色

 先日お預りしておりましたBMWR1200RTの純正パニアケースカバーです。今回は調色作業を承っていますので、その前にまずはエンブレムを外しておきます。主に裏側をドライヤーで温めて、隙間から先の曲ったヘラを差し込んで押し込みます。

 今回はオーナー様自ら自家塗装をされていた部分があるので、まずはそちらを除去しておきます。ラッカー系のようなのでシンナーと刷毛で洗い流すようにしてウェスで拭き取ります。

 その後コンパウンドとポリッシャーで磨いて汚れを除去しておきます。

 配合データから作製した色を基に、白・オーカー・オキサイドレッド・ブラックで微調整を行っていきます。

 白は簡単なようで非常に難しい色の一つで、と言うのもクリアーを塗る前と塗った後で色が変わるので(黒くなるので)、調色時も同じようにして色を確認する必要があります。今回は「こちらに残されたパニアとの見た目の差が出そうですので」と言う事でイージークリアーでご指定を頂きましたので、調色にもそれを使います。

ちなみに以前車を塗っていた時には予めスプレーガンにクリアーを入れっぱなしにした物を用意していましたが(ハードナーは入れないのでそのままで大丈夫です)、今は目調色をする事自体機会が少ないので、そのシステムは使っていません。

ただ塗装屋さんなら判ると思いますが、毎回クリアーを塗ると結構な時間が掛かってしまう為、

 その間は別の事をしています。

今回はパニアケースについていたエンブレムも傷が付いていたので、

 シルバーをタッチアップして目立たないようにしておきました。

 と言う訳で調色作業が完了です。

 色(ベースコート)は塗ったばかりの時は白く、時間の経過と共に暗くなっていきます。これはクリアーも同様で、塗った直後は白く、その後黒くなっていく傾向があり、一回色を見るだけでも結構な時間が掛かります(早くて15分くらいでしょうか)。

 白は特にずっと見ていると一体何が違うのかが判らなくなってしまうので、色板の位置を変えたり環境を変えたり(屋外でも見ています)、途中に休憩を入れたりするようにしています。

 今回は色を作っている内に「白い白」「黄色い白」「黒い白」の3種類が出来たので、それらを混ぜるようにして色を近づけていきました。画像の色板はどれも同じ物です。

ベースコートの時点で20回くらい、クリアーを塗ってからは10回くらい、合計30回くらい色の調整~確認をしています。

それではまた作業進行しましたら紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!