BMW R1200RTトップケース&パニアケースカバー 下地処理

 先日調色作業を終えていたアルピンホワイトⅢのBMW R1200RTパニアケースカバーです。

自家塗装されていた個所の塗料をシンナーで落とし、残っていた傷や、その他の飛び石傷を#240~の水研ぎで削り落とします。

 その後は全体を#800の水研ぎで旧塗膜の肌を均し、#800のスコッチとウォッシュコンパウンドを使って足付け処理を行います。

 裏側の汚れも清掃しておきます。ネジ穴に貼ってあったガムテープは一旦剥がしていますが、本塗り時にネジ穴部分はマスキングしますのでご安心下さいませ。

 その後よく乾燥させ、脱脂処理を行います。

 プラスチックプライマーを塗り、サフェーサーを塗布します。既に全体に足付け処理がされているのでサフェーサーを塗る範囲は自由ですが(足付け処理をしていない個所に塗っては絶対に駄目です)、当然研ぐ手間もあるので、マスキングをして傷の範囲に留めます。

ちなみに今回程度の傷でも、修理塗装の際には部分的に塗装を行うより、カウル全体を塗った方が間違いがありません。塗装はパネル全体に塗るよりも、スポット(部分的)に塗る方が余程大変で難しくなります。

よくあるのが「自転車を倒して傷が付いてしまったのでそこだけ直したい」といったお問い合わせですが、当店の修理方法だと、大抵の場合でフレームの新品金額を超えてしまいます。傷が小さいからといって3万円くらいで直ると思うのが一般的なようですが、車の塗装屋さんからするとそれでは採算が合わないのが判っているので、基本的に受け付けていないのが一般的かと思います(技術的に出来ない訳では無く、色々面倒なのでやりたくないと言う事です)。

しかも最近の自転車フレームの塗装は足付け処理がされていない(削ると艶のある塗膜が出て来てフェザーエッジが出せない)為、10年くらい経ったフレームは怖くて手が出せません。昔流行った密着剤を使った色替えオールペンのような感じで、ガムテープを貼って剥がすとクリアーまで剥がれる!と言う状態では手の出しようが無いのです。そうなるともう総剥離しかありませんので・・・。

 こちらは一緒にご依頼を頂いているトップケースカバーです。艶消しクリアー仕上げなのでサラッとしていますが、実は余り肌が良くないので(凸凹しているので)、

 やはり最初に#800の水研ぎで肌を均しておきます。以前足付け処理だけで本塗りをして酷い目に遭いました(1コート目を塗った時点で気づいたので研ぎ直しました)。

その後はスコッチとナイロンブラシ、ウォッシュコンパウンドを使って足付け処理を行います。裏側にも回り込むようにして塗るので、フチの裏側まで足を付けておきました。

この後はサフェーサーに熱を入れて硬化させ、そちらを研いだら本塗りとなります。ただ単体で熱は入れませんので(採算が合わない&環境に良く無い)、もう少し先になるかと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!