SHUREワイヤレスマイク 本塗り

 先日お預りしておりましたSHUREのワイヤレスマイクSVX24/PG58です。

マイク本体の黒い部品(カバーパネル)は元々艶消し黒が塗装だれているので、#800相当の研磨副資材(アシレックスレモン)で空研ぎの足付け処理を行います。

 グリルボールはスチール(鉄)にシルバーの塗装が施されていて、これにペーパーやスコッチを使っても網目の奥まで届きませんから、この場合はウォッシュコンパウンドとナイロンブラシを使って足付け処理を行います。

尚、メッキタイプのグリルボールもありますが、その場合はサンドブラスト処理を行った後にプライマーを塗ってからの上塗りとなります。SHUREやゼンハイザーでは余り見ませんが、audio-technicaやLINE6では良く見受けられます。

 マイク下側の部品は樹脂素地の未塗装状態なので、念の為ガスプライマーで火炎処理を行った後にプラスチックプライマーを塗布しておきます。

 色はこちらのページで紹介している紫メタリックをご指定頂いておりますので、その時の画像を参考に色を作ります。

使った原色は、左から「バイオレット」「スカーレット」「ブリリアントレッド」、極粗目のシルバー、中粗目のシルバー、粗目のブルーパールとなります。

 細かいシルバーを入れると色がくすんでしまう(濁ってしまう)為、透明感の高いバイオレット系の原色をベースに、粗目のメタリックと、アクセントとしてブルーパールを入れています。黒や白などの無機顔料を入れていないので隠蔽力はかなり低くなります(ちなみに車のボディカラーはそういった事も想定して大抵は白か黒が入ります)。

 隠蔽力が弱いのでそのまま黒の上に塗っても透けてしまいますから、まずは染まり易い(隠蔽し易い)似たような色を1コート程下色として塗り、その上に先ほどの塗料を3コート程塗り重ねています。

 グリルボールは2トーンカラーでご指定を頂いておりますので、先に塗った紫メタリックが乾燥したらマスキングを行います。

 本来であれば先に黒を塗ってメッシュ(網)部をマスキングをした方が作業的には楽なのですが、隠蔽性の事を考えて今回は逆にしています。ボディと同じように下色を塗ると言う事も考えたのですが、膜厚は1コートでも少ない方が良いですからね(塗膜が厚くなるとその分耐久性が低くなります)。

 マスキングを剥がし、ベースコートの完了です。

 そして次にマイク本体のロゴ入れ作業となります。

 オリジナルロゴの場合はIllustratorのデータを入稿して頂くか、もしくはこちらで作る必要がありますが(別途費用が掛かります)、SHUREのようなメジャーなロゴは既存のデータがあるので、その場合の費用は必要ありません(ただしサイズの変更等には調整費が必要となります)。

SHUREのロゴはまとめてデカールで作製していて、今回は裏と表に白で承っています。

デカールの作製については以下の記事が判り易いかと思いますので宜しければご参照下さい。

1/43ポルシェミニカー用 デカール作成

 デカール接着後、十分に乾燥させたら、

 最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。

 塗ったばかりの時は余り目立たないのですが、強制乾燥硬化後にはデカールの段差が目立つので、#1500→#2000→#3000とペーパーを掛けて段差を均し、ポリッシュをして磨きます。

 この後は一晩以上自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!