TOYOTA86 TRDブレンボキャリパー 本塗り

先日お預りしておりました、ZN6/86の純正オプションに付いているブレンボキャリパーです。その後いつものブレーキ屋さんにてサンドブラスト等の下準備を行っていただき、戻って来ました。

そのままでも塗れる状態ですが、#120のダブルアクションサンダーと#180の手掛けで表面を研磨して均し、塗りあがった時に艶が出るようにしておきます。またその際は角を削らないように注意します。角が無くなって全体のシャープさが無くなると、偽物っぽく見えてしまう為です。

キャリパー全体をシリコンオフで洗い流すようにして脱脂清掃し、本塗り開始です。

まずはプライマーを塗布します。

膜厚をつけたく無い個所にはクリアーを塗らない為、艶消し黒のベースコートを塗っておきます。

ロゴは元々TRDでしたが、今回はbremboで承りました。

ブレーキ屋さんからのアドヴァイスを頂き、フロントは100mm、リヤは80mmとしました。「そのサイズなら110mmでも良いんだけど多分入らないでしょ。余りギリギリだと格好悪いしね」と、言っていた通りでした。

その後、黒く塗った個所をマスキングします。以前は何も塗らないアルミ素地のままでしたが(塗るとブレーキ屋さんが怒るので)、そのままだと気持ちが悪いので今はこの仕様にしています。

キャリパー本体の色は以前当店で施工したオレンジパールで承っておりますので、その時作っておいたデータを基に色を作製します。2コート仕様でも塗れるくらいの(ギリギリの)隠蔽力と、オレンジの鮮やかさを両立するようにしています。オレンジ・レッド・イエローの原色に、粗目のイエローパールと着色オレンジパールを使っています。

まずは下色として適当な白を塗りました。VW社のハーベストムーンベージュです。白の他、黒・オーカー・オキサイドレッドなど隠蔽性の高い無機顔料が使われているので白系では隠蔽力が高いのが特徴です。主に暖色系有彩色の下色として使っています(ちなみに寒色系白はVWキャンディホワイトを使っています)。

オレンジパールを3コート程塗ってベースカラーの塗装が終了です。

十分に乾燥させたら、ロゴの位置を決めます。今回のキャリパーはアシンメトリー(非対称)なので、左右で塩梅の良い位置に配置するようにします。

左右を合わせるように位置を決めるので、ロゴは一度に全部一緒に塗るのではなく、一つずつ(前後左右ずつ)を合わせて塗ります。

ロゴは黒を塗装で、ここまででベースコートが完了です。

そして最後にトップコート=クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

少し前まで毎日が猛暑だったのですが、ここのところ日によって気温が大きく変わります。クリアーに使う硬化剤とシンナーはその都度変えて使いますが、今の時期が一番調整が難しいです。

しかしようやく超高温超多湿の真夏が終わって一安心です。特に湿度が高いと硬化剤の反応が早くなるのでとても厄介なのです。

そう言えば少し前に知り合いのスイスの塗装屋さんが「キイテクダサイヨ!先週38℃もあったんですよ!」とか言っていましたから、きっと今まで経験した事が無い環境で仕事をしていたのではないでしょうか・・・。

 キャリパーは正面のロゴが見える面のみ塗装後に磨いています。

この後は一晩常温で寝かし(自然乾燥させ)、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!