イヤホン テストピース(色見本)作製

先日ご依頼を頂いていたイヤホンプレートの色を作製し、実際に塗装した色見本を作製します。

今回のように色自体がオーダーメイドの場合、作製した塗料を色板=テストピースに塗装して発送、実物を確認すると言う事も可能となります。ただし本体のイヤホンプレートとは別に費用が掛かりますのでご注意くださいませ。

オーナー様のご希望としては、既存のプレートにある緑青よりも青味を強く、また参考画像も送って頂きましたのでそちらに合わせて色を作製します。画像の塗料は、キャンディーカラーのブルーとグリーンをそれぞれバインダーに20%添加し、それらを混ぜた物となります。

また他に頂いた参考画像のようにラメ(粗目メタリック)感を出されたいとも承っています。

ただSTANDOXの原色にはここまで粗いメタリックは無い事、また粒子のサイズが大きいと何度もクリアーを塗ってそれを埋めなければならない為、今回のようなマスキングで行う塗装にはお勧めが出来ません(と言うかお受付が出来ません)。上の画像を見ると肌がデロデロなのが判ると思いますが、これくらい塗らないとこのようなラメは埋まらないのです(本来は研いでクリアーを塗ってを何度も繰り返すので、画像の物はまだその途中なのかのかもしれません)。

 と言う訳で、STANDOXで一番粗いメタリック原色(MIX598)を使い、さらにラメの塗装では良く使われる「下地を黒」にしてギラツキ感を出す事としました。

粗目のメタリックは元々隠蔽力が小さい為、黒の上に塗っても下が透けます。

画像は取り敢えず使い捨ての厚紙に塗った物で、それぞれの色を確認したら本番用の色板に塗装します。

また色板の下色は二種類作る事にしました。

手前が黒の上に粗目のメタリック(MIX598)を塗った物で、奥(右)はいつものように一旦適当なシルバー(VWリフレックスシルバー)を塗り、その上に同じくMIX598を塗った仕様です。

また今回は当店用の色見本も作製しておく事にしました。

 色板と同じく、下色に黒を塗り、粗目のメタリック(MIX598)を3コート塗った色見本です。黒の面積が大きいとその分光が反射せず、キャンディーカラーの発色(明度+彩度)が損なわれてしまうので、良さそうな塩梅にしています。

 こちらは下色にVWリフレックスシルバーを塗り、同じコート数だけMIX598を塗りました。ウェットに3コート塗っていますが、それぞれを見比べると下地が透けているのが判ると思います。

 参考画像を基に作製したキャンディーカラーをテストピースに塗装し、良さそうな色を選びます。今回はハウスオブカラーのKK-04オリエンタルブルーとKK-09オーガニックグリーンを4:1にした物と、オリエンタルブルー100%の二種類を使う事にしました。

また下色をシルバーと黒のそれぞれも別けて、合計4種類の色見本を作る事にしました。

色板もそれぞれ違う下色、違うキャンディーカラーで、合計4種類を作製しています。

こちらが下色をシルバーにした物で、

こちらが下色を黒にした色板です。それぞれの上に塗っている(中層の)シルバーメタリックはどちらも同じ原色(MIX598)ですが、粒子の粗さが違って見えるのが判るかと思います。

尚、上層のキャンディーカラーは、上段がブルー:グリーン=1:4で、下段がブルー100%となります。

VWリフレックスシルバー→MIX598→ブルー100%です。

黒→MIX598→ブルー100%です。

適当に作った色を塗って見本を作るのは簡単ですが、今回のようにそれの配合データを残すと言うのは実は結構大変です。上の画像にある色見本も、最初に作った色に少しずつ白を混ぜて塗っていると言う訳では無く、それぞれ一つずつ色の量を計って作製した物です。さらに艶消しになると色の見え方が変わるので併せてそれらも作りました。お陰でその年は大赤字になってしまったのですが、そういった事のお陰で今回のようなご依頼も頂けているのだと思っています。

 

色板と色見本はこの時点ではまだクリアーを塗っておらず、そちらは出来上がり次第社外記の方で紹介したいと思います。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!