ゼンハイザーE945サンプルマイク塗装

以前作成していたフルカラーデカール仕様のゼンハイザーE935マイクですが、

今回新たなタイプのデカール用紙を入手されたとの事で、前回もお世話になった印刷屋さん(斬字屋さん)に新たなデカールを作成して頂きました。

斬字屋さんでは現在それを使った無料テスターを募集していますので、宜しければ以下リンク先のポストを御覧頂ければと思います。

https://twitter.com/O68fgcUBZDlrEnr/status/2080869978677649826?s=20

前回作ったサンプルはE935を使いましたが、今回はこちらのE945となります。当時は16,000円くらいで購入出来ましたが、その後円安が続いて今は2万円を超えてしまっています。

デザインは前回と同様ですが、

今回は下地の白を、既存のフォルクスワーゲンキャンディホワイト(LB9A)から「原色の白」=STANDOX MIX570で、さらにその上に蛍光白(顔料+MIX599)を重ねました。より白の発色が良くなるようにですね。

新しいデカール用紙は前回の物よりも薄くて良いのですが、事前に端材で試してみたところ全然伸びなく、今回のような3D曲面がある物への貼り付けは正直かなり難しい(絶対無理!)と思っていたのですが、デカールを柔らかくする為の液剤(ソフトナー)を使う事で何とかこれをクリアしました(それでも3時間くらい掛かりました…)。

何より印刷がとてもしっかりしているので、デカール表面にかなりのストレスを掛けてもインクが全然剥がれない!という事に助けられました。

その後しっかり乾かし、グリルと本体を別けた状態で一回目のクリアーを塗りました。

今回は下地の白が前回よりも明るいので、色味も発色が良くなっている筈です。

ただ蛍光顔料はクリアーを塗り重ねる内に紫外線が通らなくなり、蛍光の効果が無くなってしまうのがネックではあります。

今回は前回と違う雰囲気にしたかったので最後は艶消し仕上げにしようと思っているのですが、艶消しクリアー中に入っているシリカゲルがさらに紫外線の透過を妨げてしまうので、どうしようか悩み中です。

ゼンハイザーのE935、E945はグリル下部がマイク本体と繋がるデザインになるので、それぞれ組み合わせた状態で絵柄を繋げないといけないのが難しい所ですかね。

この後クリアーが完全硬化したら表面を研磨してデカール継ぎ目や皺等が出来た箇所を均し、もう1~2回クリアーを塗る予定です。

通常の業務(ご依頼品の塗装)も相変わらずやりきれない程溜まっているのですが、逆に暇な時だとこういったお金にならないサンプル作成的な作業は出来ないので、日中の業務が終わってからや、本来休みの筈の土曜日(殆ど休んだ記憶が無いですが笑)を使って色々とやらせて頂いています。

他に現在は以前からご要望の強かったメッキ調塗装&真空蒸着メッキ(こちらは外注依頼)も行っていて、こちらも進行次第紹介したいと思います。

スバルブレンボキャリパー 色板作成

先日お預かりしておりましたスバルブレンボキャリパー一式です。

御依頼内容としてはキャリパー本体をスバル純正の「WRブルーパール」(K7X) で承っていますが、ロゴ色について黒系か白系(シルバー系)か悩まれているとの事で、実際に色味の確認が出来る色板(テストピース)の制作をご依頼頂きました。以前イヤホンの塗装で行った時のような感じですね。

ロゴについてはフロント80mm、リヤ50mmに合わせ、色板でも同じサイズでそれぞれ作ります。

カッティングプロッターでマスキングシートをカットし、塗装する箇所を取り除きました。

色板に今回ご指定頂いているスバル「WRブルーパール」(K7X) を塗り、位置を合わせてマスキングシートを貼り付けます。

こちらはスバル純正「クリスタルブラックシリカ」(D4S) で、

こちらは同社「アイスシルバーメタリック」(G1U) となります。

マスキングを剥がし、

クリアーを塗って本塗り完了です。

元々はこちらのクリスタルブラックシリカでご指定頂いたのですが、ベースカラーの青に黒のロゴだと目立たないかも知れないと言う事で、実際に目で見て確認が出来る色板の作成をご依頼頂いています(勿論費用が必要となります)。

ちなみに作業的にはもっと早く行っていたのですが、最初完全に勘違いをしてSTIでは無くbremboで見本を作ってしまっていました・・・。

普段は作業内容書を見ながら作業するのでこういったミスはまず無いのですが、サンプル作成と言う事でうっかり油断していたようです。本番でこういう事を繰り返すようになったら引退も考えないとですね・・・。

この後は60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、さらに数日寝かしたら発送の手配を行います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

自転車用カーボンホイール サフェ入れ

先日素地調整を行っておいた自転車用HED製20インチ(406)のカーボンホイール です。

通常であればS字フックなどで吊った状態で塗装されるのが一般的ですが、スプレー時に被塗物がフラフラと揺れると正確なスプレーが出来ない事、また地面に対して水平な状態で塗りたいので(塗り肌を平滑にしたいので)、それ用の治具を作ります。以前Y31セドリックのフロントグリルメッシュを塗った時に使った方法ですね。

アングル材と全ネジでホイールをしっかり固定し、台に接触しないよう置けるようにして裏と表を同時に塗れるようにしています。

リム部のマスキングは貼り直しています。

巣穴が酷かった箇所には構造用エポキシ接着剤(3Mパネルボンド)を充填し、完全硬化後に#180→#240で研いでいます。

こちらはスポークが接触したかでヒビが入っていた箇所ですね。ちなみに今回のホイール、強度自体はリムの方がメインで、カーボン部分は空力を賄っているのだと思います(ディープリムのエアロホイール)。

よく脱脂清掃後、まずはプライマーを塗布します。

こちらはビスフェノールA型のエポキシプライマーサーフェサーです。ウレタン系に比べて樹脂自体が強いタイプですね(密着性、強靭性等)。

エポキシプラサフ自体にある程度柔軟性はあるのですが、通常の塗料で使う軟化材という設定が無いので、こちらは1コートのみの薄膜に留めておきます。

なのでこの時点では表面にある巣穴はほとんど埋まりません。

続けてサーフェーサーを塗布します。こちらはウレタン系ですね。

最初に塗ったプラサフと違う種類の塗料になりますが、完全硬化させない半生な状態で塗り重ねる事により十分な密着性を保持します。ちなみにエポキシ系はウレタン系より強いのでこの順番が成り立ちますが、逆だとチヂレ等を起こすのでNGです。

ウレタン系サーフェサーには軟化材を入れているので中々指触乾燥せず、また艶のある仕上がりになります。画像は1コート塗り終わった時点なのでやはりまだ巣穴は全然埋まっていません。

通常サーフェサーを塗り重ねる際のコート間の乾燥時間=フラッシュオフタイムは15分程度ですが、軟化材をかなり入れているので今回は30分~60分程開けて塗っています。なのでサフェを塗るだけで半日掛かりです。

丁度この時にスタンドックスのデモマンの方が顔を出してくれたのですが、こちらの作業があるので余りゆっくりと話が出来なかったのがちょっと残念で申し訳ない感じでした。ただどうしても私一人での運営だと現場が優先になってしまうので(誰も代わりが居ないので)仕方ないですかね。

サフェはトータル5コートで、最後の1コートはシンナー希釈を多めに、塗り終わったら直ぐにフチのマスキングテープを剥がしておきます。

薄いカーボンの巣穴は、通常のそれとは違って「底なし」な面もあるので、一度のサフェで完全に塞ぐのは難しく、なので一旦ここまでとして完全硬化させ、この後軟化性のポリエステル系パテ(イサムバンパーパテ)で巣穴を埋め、全体を研いだらもう一度サフェ入れを行うようにします。単に巣穴を埋めるだけならスプレーパテ(スプレーガンで塗るスタンドックスのポリエステルパテ)を塗ればかなり作業時間を短縮できるのですが、これのデメリットが「柔軟性に劣る」=割れやすいので、今回のような極柔らかい被塗面には使えないんですよね。

この後は数日間自然乾燥させ、後日50℃程度で2時間以上の熱を掛けるようにします。ドライカーボンだと思っていたら実はウェットだった!(エポキシでは無く熱に弱いポリエステル系だった!)となると折角塗ったプラサフが熱で剥がれたりブリスターが発生したりするのでそれの予防ですかね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スバルエンブレム(枠無:背面赤)本塗り②

先日透過性の赤=レッドキャンディーを塗っておいたスバル純正エンブレムです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

一応状態を確認する為、マスキングテープを剥がしてステンレストレーの上に置いてみます。ここでゴミなどが混入していたら最初からやり直しですし、ヒビが入っていたら部品自体を交換する事となります(いずれも経験済みです)。

問題無ければ表面を#1300相当の布状研磨副資材(アシレックスオレンジ)で研磨し、六連星の部分はナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理を行います。

出来上がりだけの画像を見て「単に背面の色を変えるだけでどうしてその金額に?」と思う方もいらっしゃると思いますが、このように作業内容を紹介する事でご納得頂けるのではと考えています。

足付け処理が完了したらマスキングを貼り直し、

脱脂清掃をして本塗り準備完了です。

まずは粗目で輝きの強いメタリック=STANDOX MIX598を塗布します。

こちらの原色は非常に隠蔽力が弱いので、1コート塗っただけでは上記画像のように下地が透け透けなのが判るかと思います。

その後3コート程塗り込みましたが、まだ隠蔽していないのが判るかと思います。

恐らくこれ単体で完全隠蔽させるにはウェットで8コート程塗る必要があり、そうなると塗膜限界を超えてしまう為(厚塗りし過ぎ)、そういった場合は別途下色を使う必要があります。

と言う訳で、続けて隠蔽力の高いシルバー=今回はフォルクスワーゲン純正色のリフレックスシルバー(LA7W)を2コート程塗りました。

一般的にはメタリック修理が細かい物が隠蔽力が高く、上記の塗色はこのSTANDOX MIX594が多く配合されている為、下色として使うようにしています。特に別の色や原色そのままでも良いのですが、色々使い勝手が良い塗色と言う事でこれを使うようにしています。

ちなみに通常は先に隠蔽力の高い下色を塗ってから本来の色を塗りますが、今回は反対側から見る事になるのでこの順番が逆になっているという訳です。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

裏側なのでクリアーを塗らなくても良いのかも知れませんが、1液型ベースコートはクリアー中のハードナーが浸透して2液反応する構造になっている為(2 komponent)、耐久性を考えるとクリアーを塗っておく必要があります。

ベースコート単体でも直ぐには問題が起きなかったりしますが、例えばガソリンが沁み込んだり、この後に貼る両面テープの糊に含まれる溶剤分=トルエンやキシレンや酢酸エチルなどによって塗膜が侵されるという可能性もあるので、長期的に良好な塗膜を維持すると考えると、自動車外板を塗るのと同じ塗膜構造にしておくのが良いかと考えます。

この後は再び60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。3コート3ベイクといった感じですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ステップワゴンメッキエンブレム 下準備

先日お預かりしておりましたホンダステップワゴンスパーダの純正メッキエンブレムです。裏側に残っていた両面テープの糊をシリコンオフで除去しておきました。

素地調整を行い、まずはプライマーを塗布します。

尚、エンブレムの固定は裏側に両面テープを2段に三か所貼り、それをワニクリップで掴むようにしています。

プライマーは裏側に回り込むようにしてフチまでしっかり全体を覆うように塗ります。

この後はサーフェサーを塗る方法もあるのですが、

今回はトップコート=グレー色の1コートソリッドカラーを塗る事にしました。

通常使っている塗料とは違い、クリアーに直接顔料(色)が入ったタイプ=スタンドックスVOC 2Kエナメルとなります。原色の黒と白を混ぜ、規定量のハードナー(硬化剤)とシンナーを添加しています。

今回のエンブレムの場合はサイズが小さい事、また研ぎ作業が難しい(素地を露出させてしまう可能性が高い)と言う事で、サフェに比べて肌が荒れにくい方法で行ったという感じです。

ちなみにグレーでは無く直接ご指定の色=ホンダミラノレッドを塗る事も可能なのですが(その場合ベースコートの赤+クリアーでも問題ありません)、今回使ったプライマーの肌目が出てしまっている事、艶引けする可能性があると言う事で一旦隠蔽し易いグレーで完成させ、完全硬化後に改めて足付け処理をして本塗りという方法にしました。

ちなみに当初は、

①「プライマー塗装→サーフェサー塗装→完全硬化→研ぎ作業→本塗り」

②「プライマー塗装→本塗り→完全硬化」

の2通りを想定していたのですが、今回そのどちらでも無く、

③「プライマー塗装→下塗り→完全硬化→足付け作業→本塗り」

という方法にしたという感じです。

いずれも我流という訳では無く、塗料メーカーのマニュアルに沿った方法で(所謂ウェットオンウェット)、これらいずれの方法でも品質(主に塗料間の密着性)は担保された作業内容となっていますのでご安心くださいませ。

ちなみにメッキの上に透過性塗料=キャンディーカラーを塗った「カラーメッキ風塗装」や「ブラックメッキ風塗装」などの方法としては、

④密着剤塗装→本塗り

といった内容で、この場合今回使っているプライマー(黄色味のあるグレー)は使えませんから、経年で密着剤の効果が弱くなるとその上の塗膜がペリペリと剥がれてしまうという事になります。室内ショーケースの中で飾っておくのであればそれでも大丈夫なのですが、常に雨風紫外線下の暴露状態で果たしてその密着剤の効果がいつまで続くのか、といった感じですね

この後は60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、後日足付け処理を行ったらいよいよ本塗りとなります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!