ロジクールワイヤレスマウス ロゴ入れ本塗り

 先日下塗り(本塗り)を行っておいたLogicool G PRO wirelessのマウスです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

 既に下塗りとして2回分の塗装を行っていますが、それでもまだ「G」の部分とインジケーターランプ部には段差(凹み)が残っているので、

 下地を出さないようそこを砥石&#800で水研ぎし、#1200でペーパー目を均します。さらに全体を#1500で肌の落とします。

 その後細部まで足付け処理が出来るよう、ウォッシュコンパウンドとナイロンブラシを使って擦ります。

 フチや角は研磨した際に下地が出やすいので、スコッチ(不織布に研磨粒子が塗布された研磨副資材)を使って優しく足付けします。

 その後良く乾燥させ、台にセットしたら本塗り準備完了です。いよいよ今回のご依頼の肝ですね。

 まずはベースクリアー(色の着いていないベースコート)を塗布します。

ベースクリアーを塗る意味としては、この後塗るロゴの赤が馴染むようにです(同じ成分の塗料が溶け合う感じです)。

 そして一旦台から外し、被塗面に触れないよう気を付け、クリックボタンを仮組みします。

 クリックボタンは本体内部のメカニカルに固定される為、仮組みとしても一旦は内部の組付けを行います。しっかり位置が出るようネジも止めます。

 ロゴが入るのはスイッチ部分だけですが、位置がズレないよう組付けて作業を行います。

 予め作成したデータを使い、マスキングテープをレーザー加工機でカットしました。

マスキングテープのレーザーカットについてはこちらの記事が判り易いかと思いますので宜しければご参照下さいませ。

 本来は緑色のPP(ポリプロピレン)製のマスキングシートの方がマスキング際が綺麗に仕上がるのですが、

 PP製のシートはコシが強すぎて、鋭角に折れ曲がった部分では画像のようにフチが浮いてしまう為、今回は馴染み易い紙タイプのマスキングテープを使っています。ただしこの場合カッティングプロッターでは綺麗に切れない為、レーザー加工機を使ってカットしています。またキツイ3次元曲線でもしっかり貼り付けられるよう、1ミリ幅の線状(紐状)にカットしています。緑色のマスキングシートは位置出しの為のガイド用で、今回のマスキングは以前塗装したスマホカバーの時と同じような遣り方となります。

 ロゴ用のマスキングが出来たら再び分解し、

 ガイド用のマスキングシート(緑色)を剥がして、塗装しない周りの部分を養生します。

 そして赤を塗ります。

 赤はフェラーリ純正色のロッソコルサ(カラーコード:300)となります。

 マスキングを剥がし、ガタガタになった各部も修正を行いました。

 実際マスキングをして塗るだけではこんなに綺麗に仕上がるのではなく、フチは普通にガタガタになります。サイズが大きければそれも目立たないのですが、今回のように小さい物だとちょっとした事でも汚く見えてしまうので、一旦それらをペーパーで研磨して均し、一辺づつのラインをそれぞれ修正(塗装)しています。またその際には見切り部分が綺麗に仕上がるよう、PP製のマスキングシートを使ったりもします。実はこの辺が地獄のような作業でして、マスキングを剥がしてからクリアーを塗るまでに軽く4時間は掛かっていたりします。普通ここにそんなに時間を掛けていたら「いつまでやるつもりだ!」とクビになりますが、幸いにして今はそれが出来る環境にあります。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。大変お待たせしました!

  クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

 「G」のロゴとインジケーターランプ部の段差(凹み)も全く感じられない程になりました。

 時間を掛けたお陰でロゴも綺麗に塗れているかと思います。

画像だと判りませんが、回り込んだフチまでしっかりロゴの赤は塗装していて、少なくとも「UV印刷や水圧転写、ステッカーでこうは出来ない」と言うくらいの仕上がりには出来ているかと思います(逆を言うとコストを考えればロゴは塗装では無くこれらの方法が一般的です)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛け、ロゴの段差は#1500~で研いで平滑に均して磨きます。さらに今回は(今回も)組み付けがあるので、少し長めに寝かしてから作業を行いたいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!