RB26→RB28加工タイミングベルトカバー 調色

先日お預かりしておりました日産BNR32のタイミングベルトカバーです。アルカリ洗浄槽に一日だけ浸けて、サッと汚れを落としておきました。

今回は調色作業も承っておりまして、ただ既存の塗膜を剥がしてしまうと色の確認が出来ませんから、溶剤槽に入れる前に色を作成しておきます。

が、これがまた予想に反して難航しまして・・・。

ソリッドカラーなので二時間もあれば大丈夫と思っていたのですが、元々塗られている色の彩度が高過ぎて、既存の塗料(STANDOX)ではどうやっても色が出せません。作っては捨てて(実際には下塗り用として保存)を何度も繰り返し、それでもダメで、最終的には「下色に白を塗り、それを透かすようにしてオレンジを重ねる」という、3コートソリッド方式にする事にしました。下地の白が隠ぺいしていないVWの車体等で、どうにもならなくなって使われる方法ですね。

参考までに使った原色です。オレンジとイエローだけでまずある程度の色相を合わせ、それを白く塗った色板の上に重ね、微調整&白を追加していくという方法です(ちなみに白を入れると色は濁ります)。

下色に使った白はVW社のキャンディホワイト(LB9A)で、その上にバインダー(ベースコート用樹脂だけの物=MIX599)を100%加えたオレンジを4コート程重ねて塗っています。

下地の白が透き通る事で、通常の方法では表現出来ない彩度を表現しています。

途中、キャンディーカラー用のオレンジ原色(染料または細かく粉砕されたキャンディーカラー専用の顔料) を使おうとか、蛍光顔料を入れてみようとかも考えたのですが、知り合いの塗装屋さんにも相談した結果、以前これと同じ方法でやった事があるという事で、信じてこの方法でやり続けました(この度は有難うございました!)。

結果、想定していた作業時間(2時間)を大きく超えてしまいましたが(二日間…)、何とか元の色に近い物を表現する事が出来ました。

 出来上がった色を、改めて本番用の色板(スチール製)に塗装しました。クリアーも塗っています(硬化剤無しの主剤とシンナーのみ)。

本番ではこの色板を参考にして、タイミングベルトカバーの塗装を行います。同じ様に下色にVW社のキャンディホワイトを塗り、その上に今回調色した透過性のオレンジを塗り重ね、最後にクリアーを塗る方法となります。

裏側のシーラーをカッターで切り離し、この後タイミングベルトカバーは溶剤槽に浸け置きをして既存の塗膜を剥離します。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!