ゼンハイザーE945マイク マーブルレッド 本塗り

先日お預かりしておりましたゼンハイザーE945ボーカルマイクです。

本体は#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で空研ぎを行い、グリルはナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで網目の奥までしっかり足付け処理をしてあります。

イメージとしてはこのような内容で承っておりまして、今回はまずベースカラーのマーブル柄のキャンディーレッド塗装を行う事となります。マーブル柄はビニールラップを使って下色のシルバーにランダムな模様を与える塗装で、その際にかなりの段差が出来ますから一度に仕上げるのは難しく、なのでロゴ入れと二回に別けて行います。

また今回のマーブル塗装(ラップ塗装)はどうしてもランダム=偶然的な作業になる為、それの道先案内人的な感じで色板も用意しています(しかしこの後これがどんどん増えて行く事に・・・)。

まずは下色としてベースコートの黒を塗ります。

グリルはキャンディーレッドと黒の塗り分けとなる為、ここで黒く残す網の部分をマスキングします。

キャンディーレッドの下色としてシルバーを塗布します。今回はいつものSTANDOX粗目シルバー原色のMIX598 では無く、比較的隠ぺい力の高く目の粗いMIX811を使います。

 

そしてラップ塗装を行います。

手順としては、黒を塗った上にシルバーを重ね、それが乾かない内にビニールラップを被せ、それを剥がす事で意匠を与える、といった感じです。

ただ如何せん、このラップ塗装は何か偶発的な事象に頼るような所があり、以前から私的にモヤモヤしていた事もあって、

色々とデータを取ってみる事にしました。

それぞれビニールラップの種類を変えたり、剥がすタイミングを変更したり、シルバーをMIX811=100%からMIX811:MIX598=1:1にする等、条件を変えた内容で色々試してみました。雇われの身だったらまず首になっているか、「アイツは自分の事しか考えていない」と陰口を叩かれていたと思います(むしろそれが当然だと思います)。

と言う訳で、胃液が口から出て来る前に勢いそのまま、本番のラップ塗装を行いました。

シルバーについては結局今まで通りのMIX811そのままで、ビニールラップを今までのポリエチレンから塩化ビニールに変更してみました。

データ取りと練習の甲斐あって良い具合に出来たと思います。

その後キャンディーレッドを塗布します。かなり艶がありますがこれはハードナーが添加された為で、いつも通りのベースコートとなります。

そしてクリアーを塗って本塗り(下塗り)完了です。

マーブル柄の凸凹が残っていますので、クリアーはいつもより多めに3コート塗ってあり、この後これを研いで平滑にします。

グリルはマーブル柄では無くレッド&ブラックで、ただし下側のリングにネームロゴが入りますから、こちらもそこだけ後でもう一度本塗りを行います。

この後は一応一日自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!