SHURE SUPER55ガイコツマイク 本塗り

先日お預かりしておりましたSHURE SUPER55ガイコツマイクです。その後分解を行い、溶剤槽に浸けてウインドスクリーンを剥がしておきました。

磨かれてピカピカの状態だと塗装の密着性が悪く、といってこの形状をペーパーで隅々まで研磨するのは難しい為、サンドブラストを使って足付け処理を行っています。

その後良く脱脂清掃し、台にセットします。

裏側からも塗れるよう、出来るだけ隙間を大きくするように固定しています。

ネジ穴やコネクターが挿さる箇所は最後まで塗らないのでマスキングをしています。

ワッシャーも同色に塗るので、こちらもサンドブラストを行っています(メッキ地もそのままでは塗料は密着しません)。

まずはプライマーを塗布します。

最初のピカピカの状態から「密着剤」(スプレー糊のような物)を塗っていきなり色を塗ったとしても、出来上がった見た目は変わらなく仕上がるのですが、しっかりした下地処理をしていれば塗装は剥がれ難くなり、また固い物に当たっても塗膜が欠けたりする事を防げたりもします。以前業者さんに装飾メッキが施されたネジの塗装を依頼された際、「タカハタサン!ドライバーでしっかり閉めても全然剥がれませんでした!」と驚いていました。

プライマーが乾いたら表面を軽く研磨し、

ベースコートを塗布します。

色はプジョー「PERSEPOLIS GOLD」(カラーコード:C3)で、事前にお貸出しした数種類の色見本の中から選んで頂きました。少しくすんだゴールドとなります。

このままでもご希望頂いた艶消し仕上げになるのですが、この状態での塗膜の強度は缶スプレー(ラッカー)と変わりない程度なので、

最後に艶消しクリアーを塗って本塗り完了となります。お待たせしました!

塗ったばかりの時は艶がありますが、ここから徐々に艶が消えていきます。艶ありと同様ウェットに塗る事で表面を平滑に仕上げ、傷の付きにくい塗膜にします。

内部もウェットに塗り、ガサガサにならないようにしています(後に貼り付けるウィンドスクリーンがちゃんとくっつく為)。

その後徐々に艶が無くなっていき、

一時間程経つとしっかり艶が消えた状態になります。

しっとりとしてツルンとした肌になっているのが判ると思います。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、さらに数日寝かしたら組付け作業を行います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!