スバル360テールレンズ 素地調整

先日お預かりしておりましたスバル360の純正テールレンズです。

経年劣化で表面の被膜が剥がれてしまっているようで、まずはこちらを綺麗に除去します。

削ってみて判ったのですが、表面に出ていたクラックは被膜では無くプラスチック素地から直接発生しているようです。もしかしてそれを目立たなくする為に上にクリアーを塗ったのかも知れません。

溶剤は使えないのでペーパーで研磨します。#320から始めています。

幸いにしてクラックは浅いので、#320→#400の研磨である程度落とせました。

ただ凸文字周りにはペーパーが当てられないので(文字が消えてしまうので)、こちらはウェットブラストで表面を研磨するようにします。

パッキンが付いていた箇所にはクロロプレン系の接着剤(G17等)が残っているので、こちらも除去しておきます。どうやらこちらのレンズは裏側に透明な赤を塗ってあるみたいで、それが溶けるとまずいので極力溶剤を使わずに除去していきます。

凸文字以外の箇所を#600→#800の水研ぎでペーパー目を均しておきます。

キャビネットに入れ、重曹を使ったウェットブラストを行います。

丸い部分は樹脂の素材が違う為かこちらにクラックの劣化が見られなく、ただクリアーは塗られてしまっているのでこちらを除去する為にもウェットブラストを行います。

以前TE47のライトカバーのウェットブラストを行った時の動画があるのでそちらを紹介しますね。

動画ではブラストした後から箱の中にエアーを注入していますが、実際にはこのエアーは開放しっぱなしで、内部の霧を強制的に外に排除する事で常に視界が良くなるようになっています。

重曹は放置しておくと固まってしまうので毎回新しいのを入れていて、当初25kgなんて絶対使わないと思っていましたが、ペットボトルに小分けしていた物はもう残りわずかとなりました。

と言う訳でウェットブラスト完了です。

凸文字を残しつつ不要な被膜を除去出来ました。

ただペーパーが欠けられない箇所は細かいヒビ割れが残っている事と、全体的に傷や欠けた箇所があるので、まずは一旦下塗りでクリアーを塗装し、その後改めて素地を整えて本塗りのクリアーを塗ろうと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!