先日お預かりしておりましたマツダのリモコンキーカバーです。
こちらは新品塗装済み品なので下地は出来ていますから、全体を#800→#1300の布状研磨副資材で研磨し、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理を行います。
手で持って塗れるようワニクリップで芯棒に固定し、台にセットします。
よく脱脂清掃したら念のため裏側樹脂素地が露出した箇所にプラスチックプライマーを塗っておきます。
尚、今回は色見本キーホルダーの制作も承っていますので、サーフェサーを塗って研磨したこちらの素体も一緒に塗装します。
下色に使う塗料は、決まった物もあれば、余って使い道の無い物をそれぞれ混ぜて適当に作っている場合があります。
今回ご指定頂いているのはマツダ純正色「レーシングオレンジ」(カラーコード:A8X)で、こちらは下色を塗ったそれに、半分だけレーシングオレンジを塗った状態です。
下色に2コート、レーシングオレンジを3コート程塗っています。
コート毎に5分~10分くらいの乾燥時間=フラッシュオフタイムを設けています。
よく乾燥させたらトップコート=クリアーを塗ります。が、今回はこちらにロゴ入れも承っていますので、
比較的大きいサイズ、例えばブレンボキャリパーにbremboのロゴを入れる場合はマスキングシートを使って塗装で行いますが、今回のようにサイズが小さく線が細い場合でそれを行うのは物理的に難しいので、印刷を使ったデカールでの対応となります。デカールの作成についてはこちらの記事で紹介していますので宜しければご参照くださいませ。尚、多めに印刷しているのはその中から一番仕上がりの良い物を選んで使う為です。
専用の接着剤(マークセッター)を使い所定の位置に貼り付けたらしっかり乾燥させます。
そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!
クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。
色の構成としては、鮮やかなイエローと黄土っぽいイエロー、白と鮮やかな赤の原色が使われています。実はオレンジ系の原色=MIX579、MIX815,MIX577は使われていません。
これは私的な見解なのですが、オレンジを表現するのにオレンジ色の原色を使うと濁りが生じ、また単調なフリップフロップ性(見る角度によって違う色に見える性質)になってしまうので、彩度の高い有機顔料系=鮮やかなイエロー(MIX575)や鮮やかな赤(MIX561)を組み合わせる事で面白味のある色(抽象的な言葉で言うと「奥行きのある色」)にしているのだと思います。
尚、ウェブショップでも紹介していますが、色見本キーホルダーは塗装のご依頼を頂いた方のみの対象となっております。ご了承くださいませ。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!