日産内装パーツ4点 下準備

先日お預かりしておりました日産自動車内装パーツ4点です。シリコンオフで全体を脱脂しておきました。

今回のパーツは表面にシボ模様があり、それはそのまま残した艶消し塗装で承っていますので、この時点では上塗り用の下地処理を行います。粗い番手で傷を着けないよう、#800相当のスコッチ(不織布に研磨粒子が塗布された3Mの製品)とウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)、ナイロンブラシを使って足付け処理を行います。

その後よく乾かし、再度シリコンオフで脱脂清掃を行っておきます。

今回はこちらの布の色に近い色味で承っていますので、それを参考にして塗料を作成します。

今回のような色の作り方としては、白と黒で大体の明度を合わせ、それにオーカーやオキサイドレッド等の色味(色相)を足していきます。鮮やかになり過ぎたら白と黒を足し、逆の場合は色味を足す感じですね。

自動車のボディを塗っていた時は「布に塗料の色を合わせるなんて不可能」と考えていましたが(勿論物理的には不可能です)、小物の塗装専門になってからは「それに似せるような感じ」というニュアンスを私自身が受け入れるようにする事で対応できるようにしました。

こちらでは紹介していませんでしたが、以前ご依頼頂いた時の画像を紹介します。

近年の住宅には24時間換気システムの為のダクトが設けられていて、室内側のカバーは大体白とかアイボリーとかグレー色をしていますが、経年で黄ばみが出たり(うちがまさにそうです!)、壁紙の色と合わない!という事が発生し、これを気にする方は結構いらっしゃるようなのです。この時の壁紙は何色かが組み合わさったストラクチャーのある物が見本で、全体的な雰囲気を合わせるような感じで画像のカバーパネルに艶消し仕上げで塗装を施しました。この時は直接オーナー様からのご依頼だったので、その後「とてもいい色に仕上げていただけて、大変嬉しく思います。お願いして本当によかったです!」とのお言葉を頂戴しました。

他に多いのがこちらのインターホンで、これについては最初に個人の方からご依頼頂いた物を日記に掲載したところ、その後建築事務所や施工店から何度かご依頼を頂きました。最近は家の壁や塀などを黒系にする事も多く見受けられ、そこに取り付ける(そして目立つ)インターホンもそれに合わせたいという要望が結構あるんでしょうね。

今回使った原色はこちらの5色となります。左からオーカー、ブラウン、オキサイドレッド、黒、白となります。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!