BOSE Acoustimass 5 Series III Refinish

先日お預かりしておりましたBOSE Acoustimass 5 Series IIIスピーカーシステムのウーファー(低音用スピーカー)です。

既に完成してオーナー様にお納めしていますので、作業内容を纏めて施工事例として紹介させて頂きます。

フロントパネルのプラスチック素材が黄変してしまったので、それをボディの白に合わせて塗り直すというご依頼となります。画面右がボディ、左側が黄ばんだプラスチックカバーパネルです。

またフロントパネルにはグレBOSEのロゴと、

その下に”ACOUSTIMASS SYSTEM”のロゴが入っていますのでこれらも再現するようにします。ちなみに「これを残して塗装して欲しい」というお問合せが時々ありますが、さすがにそれは物理的に難しく(ほぼ不可能)、サイズが大きくて単純な形であれば対応出来る場合もありますが、出来るとしても新たに入れなおすより残す方が費用が大きくなってしまう事が殆どなので、かなり限られた場面でのみになるかと思います。

色については厳密な調色作業(有料)ではなく、「似たような感じ」=近似色という事で承っています。それぞれの大きな違いとしては、調色作業を行う場合は実際にスプレーガンでテストピースに塗装→調整を何十回も繰り返して色を近づけていくような数時間を費やす作業で、今回のような近似色=簡易的な色の作成としては5分程度の作業で画像のように攪拌棒に塗料を着けて見比べる→数回の調整といった感じになります。

使ったのは白と黒とオーカーの3色です。

本塗り時に一応記録を残しておこうと思い色板(紙)にスプレーして確認しました。調色作業となるとここからさらに微調整を行いますので、塗装費とは別に数万円の作業費が必要となる訳です。

元々BOSEのロゴがあった箇所は削り落としていて、その部分には褪色(黄変)する前の白い素地が残っているのが判ります。

被塗面は#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理しています。水は使えないので全て空研ぎです。

よく脱脂清掃をしたらエアーブローで埃を飛ばします。穴の中には養生紙を詰めて埃や塗料が入らないようにしています。

続けてプラスチックプライマーを塗布します。素材は不明ですが触れてみた感じとしては恐らくABSかと思います。

ベースコートを塗布します。先ほどの画像と比べるとかなり色が違うのが判りますね。

3~4コート程塗ったらよく乾かします。

続けてロゴ入れの作業を行います。

台の上だと危ないので一旦床に降ろして作業をする事にしました。

尚、ロゴを入れる場合は「マスキングによる塗装」 と「デカール」の2通りがあり、

今回のような小さいサイズでマスキングシートをカットする事は物理的に難しいので、後者のデカールでの対応となります。デカールの作成についてはこちらの記事で紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

そして最後に艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。

艶消しクリアーも艶ありと同様ウェットに2コート塗りこみます。ここで肌を荒らしてしまうと(ドライコートをしてしまうと)表面がザラザラとしてしまい、傷が付き易い塗膜になってしまうからですね。艶消しでも「サラサラとした肌」が理想となります。

その後時間の経過と共に艶が消えていきます。

塗膜の強度については自動車ボディのそれと同様となりますので、今後この白が色褪せるという事はまず無いかと思います。自動車補修用塗料の最大の特徴は「耐候性が良い」ですからね。

ロゴも良い感じ再現出来たと思います。

BOSEのロゴの色は黒では無くグレーで、薄いグレーの上にさらに透過性のグレーを重ねる事で色味を近づけました。

翌日マスキングを剥がしてみて色味も確認しました。ボディとの色違いは殆ど感じられなくなったと思います。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

そして完成です。

最初の画像と見比べてみます。 元々ここまで黄ばんでしまったフロントパネルを、

ボディの白に合わせて塗り直しました。

艶については当店規定の艶消し仕上げで、これについても良い感じに仕上がっているかと思います。

ちょっと判り難いですが、今回同じ素材で同じように黄ばみが出ていた裏面のパネルは塗っていないのでその違いが判るかと思います。

こちらが裏側ですね。設置すればほぼ見えないのでこちらはそのままで問題無いかと思います。

各完成画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

この度のご依頼、誠に有難う御座いました!