GRスープラトランクスポイラ塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたトヨタGRスープラ純正トランクスポイラー塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はつや消し黒に塗装してあった物を、

トヨタ純正色の「ホワイトメタリック」(カラーコード:D01)に塗装を施しました。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

白に見えますが、

カラーベース+パールベース+クリアーの3層パール=3コート塗装となります。

裏側が見えるよう、ひっくり返して撮影しました。

オーバーハングになるので垂れやすい箇所ですが、本塗時に塗り易いよう角度を変えて行っているので、ほぼ塗りっぱなしで肌を作れました(目立つゴミは磨き処理で除去してあります)。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度も当店をご利用頂きありがとうございました!

SENNHEISER SKM835 Wireless Microphone

先日お預かりしておりましたゼンハイザーSKM835-XSWワイヤレスマイクです。

既に完成してオーナー様にも発送していますので、施工事例として纏めて紹介をさせて頂きます。

マイクボディにはグレーメタリックの塗装が施されているので、こちらは#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理を行っています。

マイクのグリルは艶消し黒(クリアー塗装無し)の塗装が施されていて、この形状だとペーパーや布状研磨副資材(アシレックスレモン)では網の隙間に届かないので、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って足付け処理をしています。

マイクとグリルの間に挟まるプラスチック製のスペーサーは樹脂素地の状態で、こちらも#800で足付け処理をしていますが、素材が不明で不安な所もありますので(削った感じではPP=ポリプロピレンと考えています)、

念のためガスプライマーを使った火炎処理も行っておきます。

ガスプライマーについては以下の記事で紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

→>Mazda Diesel Fuel Cap

色については当初はお貸出しした色見本帳からお好みの色を選んで頂いていて、そこから原色のバイオレットの含有量を増やすよう(赤味を出すよう)承っておりましたが、その後参考画像を送って頂きまして、そちらにイメージを合わせる事となりました。

使用した原色を撮影するのを忘れてしまったので、後々の為に以下に記載しておきます。


・MIX598 ブルー(彩度のある標準的な青)

・MIX566 パープル(青味のある赤)

・MIX569 バイオレット(赤味のある青)

・MIX845 サテンブルーパール(粗めのブルーパール)

・MIX821 アメジストパール(バイオレットパール)

・MIX598 ブリリアントシルバー(最も粒子が大きいメタリック)

・MIX811 シルバーダラーコース(輝きの強い中目メタリック)


深みを残したかったので黒や白系は入れず、それ故に隠ぺい力が弱いので下色を使った3コート塗装とする事にしました。

左の色見本が最初に選んで頂いた色で、それに比べて赤味(バイオレット)が強くなっているのが判るかと思います。また色見本に比べると深みがありますが、今回はこの上にガラスフレークを重ねるので、それを想定してメタリックは少なめにしておきました。

まずは下色として、隠ぺい力の高い適当なブルー系メタリックを塗装します。具体的にはVW社のシャドーブルーメタリック(カラーコード:LD5Q )を塗って下地の黒を完全隠蔽させます。

その後今回作ったベースカラーを塗布します。

ちょっと判り難いのですが、先ほどのブルーの上にガラスフレーク=「PP304」を重ねました。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

よく見ると青系のキラキラした物(ブルーパール)と赤系のキラキラした色(アメジストパール)があるのが判るかと思います。

さらにその上に白く膜を張ったような物がガラスフレークで、ブース内の蛍光灯ではそんなに目立ちませんが、一点からの光=太陽光やスポットライトでこれが煌めきます。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

そして完成です。

スポットライト下だとガラスフレークが煌めくのが判ります。 この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

IMPULアルミシフトノブ塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたIMPULアルミ製シフトノブの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこのように未塗装アルミ無垢状態だった物に、

日産純正色「ブルーブラック」(カラーコード:BG8)と、

それに似合うゴールドメタリックで塗装を施しました。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

打痕が結構多かったのですが、文字部の凹みを極力残したかったのでペーパー等での研磨作業はせず、素地調整はサンドブラスト、また下塗りを入れると3回分の塗装で滑らかな表面に仕上げました。

  作業的には元の凹み文字は削り落とし、パテでラインを整えて平滑にした後に新たに塗装かデカールでロゴを入れなおした方が遥かに楽なのですが、

オリジナルを残す事で今までの愛着も引き継げればと思う次第です(それにしても大変でした…笑)。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度も当店をご利用頂き有難う御座いました!

ランドクルーザーテールランプ&ミラーウィンカー塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたトヨタランドクルーザー用純正テールランプ&USテールの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこちらの純正テールランプ一式をお預かりしておりまして、ただウィンカーのオレンジ部もレッドテール化にされたいとの事で、

その後新たにこちらのトヨタ純正USテールランプも追加でご依頼頂きました。先ほどのテールランプではウィンカー部分がオレンジ色のレンズでしたが、こちらは赤いレンズとなっています。

スモークの濃さにつきましては、以前施工したメルセデスベンツCLSのテールランプを参考に調整しています。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

こちらが日本仕様のテールランプです。

テールランプ上部がオレンジ色のレンズになっているのが判ると思います。

こちらがUS仕様です。

先ほどと同じ形でも、上部のレンズがオレンジでは無く赤いのが判るかと思います。

USテール、

日本仕様テールとなります。

日本仕様、

USテール、

日本仕様、

USテールです。

それぞれスモークの濃さは同じなので、用途によって変えても違和感なく使えるようになっています(別で塗った場合は改めて4個一式をご用意いただかないと濃さが変わってしまいますので)。

そしてミラーウィンカーです。

ミラーカバーは未塗装なので、恐らくこれから取り付けられるボディショップで塗られるのだと思います。

こちらのスモークの濃さもテールランプに合わせています。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

Mitsubishi Lancer brembo Matt Gray

いつもご贔屓頂いている業者様から御依頼頂いたランサーエボリューション用純正ブレンボキャリパー一式です。

新品時のブレンボキャリパーに塗られている塗料は焼き付け型で、使っている内に色褪せたり(褪色)、クリアー層がペリペリと剥がれてくるのが特徴です(層間剥離)。

自動車の外装パーツ(ドアやボンネット)と違って形が歪な為にサンダー等での作業が難しく、なので一般的な自動車板金塗装店では敬遠されがちな物だったりします。私も車体を塗っていた時は殆ど扱っていませんでした。

ただその後車体から「小物」の塗装専門にシフトし、またその時間借りしていた知人の工場内に、私と同じような形態で作業をしていた方がブレーキキャリパーのOHや販売等を手掛けていて、それの下請け的に大量のブレンボキャリパーを塗らせて貰う事で作業的に慣れ、現在に至っています。

その後間借りしていた工場から今の場所に移り、現在もこれらブレーキキャリパーの下準備についてはその方にお願いしています。こちらのページで詳しく紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

下請け時には先ほどの状態でそのまま塗装を行っていたのですが、現在はそれにサンディングの作業を追加しています。深い傷や打痕、梨地の処理等ですね。

塗装前の脱脂洗浄も2回繰り返すような感じでしっかり行っています。

ちょっと判り難いのですが、こちらは打痕部にエポキシパテを塗っています。

まずは全体にプライマーを塗布します。

膜厚を着けたくない箇所=ボディ固定部やガスケットあたり面、パッド固定用のピンが入る穴の内側等ですね。

続けてベースコートにトヨタ「マットストームグレーメタリック」(D08)を塗布し、bremboのロゴを黒、最後に艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。

艶消しクリアーは艶ありの場合と同様、ウェットに2コート塗っています。垂れるとその後の処理(磨き)が出来ないので塗りなおし確定ですが、肌を荒らしてしまうとその後傷が付きやすい塗膜になってしまうので、艶消しでもツルンとした肌にする事でそれを防ぐようにします。

その後時間の経過と共に艶が消えていきます。

 その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

さらに数日寝かしたら完成となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

装着してしまえば細かい箇所など目立たなくなってしまうのですが、

製品単体の状態でのお渡しとなるとどうしても全体を隈なく見て(見られて)しまうので、そういった点で小物の塗装は同じ塗装屋さんでも嫌がられる傾向にあると思います。まあそもそも車体を塗る為の設備を構えた工場=所謂保険を使った事故修理を主体として作った工場で小物を扱うと採算が合わないという所もありますよね。

私の場合、小学生の頃から小さい物=プラモデルや鉄道模型(Nゲージ)が好きで毎日それらを作っては塗っていたので、それを仕事に出来た現在は毎日が楽しく、非常に幸運だったと思います。

そういった模型塗装の時にはカッティングプロッターやデカール作成、スプレー塗装等の技術が全く無かったので多くのジレンマを抱えていて、その後それらの事を出来るようになったのが楽しくて仕方ありませんでした。自動車のボディなんて絶対ロボットが塗っている!と思っていましたから、それを人の手でやっている姿を見た時の衝撃は今でも忘れられません(まさに動きはロボットのそれだったのでそれも衝撃的だったのですが。笑)。

なので当時の私からすると「艶々」にする事は非常に特別で、それがとても難しい事だと思っていましたが、

実際に塗装を続けていると、むしろ今回のような艶消し・半艶仕上げの方が難しい事に気付かされます。

ただその後、材料=艶消しクリアー自体も進化を遂げていて、昔非常に苦労したDUPONTのAU175に比べると、現在のSTANDOXマットクリアーシステムはとても安定した艶消し仕上げが出来るようになりました。使用されている顔料(恐らくはシリカゲル)が従来の1/15のサイズになったとかで、これによって樹脂中の分散や固形化がされなくなったのだと思います。以前は使う度にしっかり缶の蓋を開け閉めし、底に固まった顔料を攪拌棒で攫っていましたが、これが無くなったのでアジテーターカバーでも使えて作業効率も上がりました(その後検証していて問題無いを確認しています)。

ただ艶消しクリアーは通常のクリアー=5キロ缶に比べて容量が少なくとても割高で、また作業には多くの神経を使うので通常の艶ありよりも割増費用が必要になっています。その点はどうかご理解頂ければ幸いです。