SHURE RK143G SM58 Replacement Grille

以前ご依頼頂いて紹介していなかった案件なのですが、意外とお問合せが多い為、施工事例として作業内容を紹介します。

SHUREのマイクに装着するグリル部分のパーツで、現状シルバーメタリックに塗装されているのですが、元々の塗膜は非常に薄く(クリアー塗装は無し)、金属アレルギーをお持ちの方だとその影響を受けてしまうとの事でご相談を受けました。

「見た目的には純正と同じように」との事で、STANDOX原色のMIX595を採用します。

作業中の撮影していなかったので、こちらを含む一部の画像は別の案件の物を使わせて頂きます。

塗膜の厚みをつけるだけならクリアー塗装のみでも良さそうですが、塗装を行うにはまず素地調整=足付け処理が必要で、その際に被塗面には傷が付いてしまいますから、今回の場合にもベースコート(シルバー)の塗装は必須となります。

尚、グリルの場合はその構造上(メッシュ形状)ペーパーが隙間の奥に当たらない為、

この場合はサンドブラスト処理を行うか、

またはナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って足付け処理を行うようにしています。これらは新たに塗装する塗膜が簡単に剥がれないようにする為の下地処理となります。

その後プライマーを塗り、シルバーメタリック(ベースコート)→艶消しクリアー(トップコート)の塗装を行って、60℃40分程の熱を掛けたら完成です。

クリアーまでしっかり塗って膜厚を確保する事で金属アレルギーでも問題無く使えるように出来たと思います。

見た目も純正の状態と遜色無く仕上がっているかと思います。

その後オーナー様から使用上のご感想とご報告を頂いたのでこちらも紹介をさせて頂きます。


「マイクのグリル塗装をして頂いてからは唇の荒れは1度も発症しておりません。唇の荒れが金属アレルギーからきていたものなのかは正直なところ検査などをしたわけでは無い為断定は出来ませんが……。
グリルを交換してからは不調になることは無くなったため、おそらく私自身金属アレルギーが原因だったのだと思われます。

塗装して頂いてから週1のペースで3時間~4時間ほど現在まで使い続けていますが、アレルギーは今のところでておらずとても助かっております。」


 この度のご依頼、誠にありがとうございました!

Wheel Caps rotiform→3-Pointed Star

先日お預かりしておりましたロティフォームのホイールセンターキャップです。

メルセデスGクラスにホイールを履かれるとの事で、こちらをスリーポインテッドスターへの変更&塗装でご依頼を承りました。

製品は既に完成してオーナー様にお納めしておりますので、作業内容を纏めて施工例として紹介をさせて頂きます。

今回ホイールキャップのサイズは直径70mmで、以前制作したエッティンガー用のホイールキャップが68mm、その時に作ったスター(上の画像はその時作成した当店在庫予備品)を乗せてみるとちょっとサイズが足りないのですが、土台のエッジを滑らかにすれば違和感は大きく無さそうと言う事で、今回はその時のシリコーン型を使用する事にしています(これにより原型とシリコーン型の作成費を省けます)。

以前作ったシリコーン型を使い、レジン(注型用ウレタン樹脂)を流し込んで素体を複製します。複製作業は個人的な趣味と言う事で社外記の方で紹介しています。

裏側からダブルアクションサンダー#120を当てて面を平滑にしつつバリを削ります。

うっかりすると簡単に割れてしまいますから、それを想定して多めに作成しています。

面取りとバリを除去したら油分をしっかり落とします。シリコーン型に塗った離型剤が巣穴に残っていたりする為ですね。

その後はナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理&洗浄を行います。

台にセットします。

くっつかないよう細く丸めたガムテープを間に挟んでフチを浮かせた状態で固定しています。

通常であればサーフェサーを塗りますが、今回はコスト面を考えて1コートソリッドのグレーで下塗りとしました(STANDOX 2Kエナメルです)。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきます。

土台部分のパーツは、アクリル板をレーザー加工機でカットして作成します。趣味で使うには決して安い買い物では無かったのですが、仕事にも十分活用出来ていて元は取れたと思います。

上の画像の上段が元々のホイールキャップのパーツで、今回使うのが下段のパーツとなります。

レーザーで切ったそのままだとエッジが立っていて、

その上にスターを乗せた時にサイズが合わなく見えてしまう為、

エッジを研磨してスターに合わせてみました。

これでスターのサイズが足りなくても違和感は拭えたと思います。

それぞれ準備が整ったらいよいよ本塗りです。

土台のパーツはアクリル樹脂なのでプラスチックプライマーを塗布します。

続けてベースコートの黒を塗布します。

そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

今回ご依頼頂いてるのは5個ですが、一応サンプルとして残しておきたいと言う事もあって余分に作って塗っています。あとは万が一というかワンオブサウザンド方式ですね。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

完全硬化後、各パーツを組み付けます。

まずは土台のプレートとスリーポインテッドスターの接着です。

それぞれをエポキシ接着剤で固定します。

続けて今回作成したスター部分と土台部分を組み付けます。こちらは両面テープとシーラーを併用します。

そして完成です!

各完成画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

土台とスリーポインテッドスターはエポキシ接着剤で固定しています。

背板(土台)はクリアーの肌が極力残らないように塗りました。

クリアーを平滑にしようとした場合、乾燥性の遅いハードナーやシンナーを選択し、

尚且つしっかりと塗り込む必要があって、その際どうしてもフチに表面張力でクリアーが溜まり気味になりますが、

今回は上からスリーポインテッドスターを被せるという事でそこは無視出来ますから、

鏡面のような肌になる事を優先して仕上げました。

土台のフチを面取りしたお陰でサイズ違いの違和感も少ないかと思います。ホイールとツライチならエッジが立っていても(立っていた方が)格好良い場合もありますが、今回は元のキャップより1ミリ以上厚くなっているのでホイールより一段高くなっている事を想定しています。

オーナー様からは「想像の100倍の仕上がりに大満足です!」とのお言葉も頂戴しました。

その後無事装着されたようで、オーナー様より画像とコメントも頂戴しました。


「先日製作して頂いた、センターキャップの取り付けをさせて頂きました。
完璧な仕上がりで、年老いたゲレンデ君も大喜びです…。何かありましたらまたよろしくお願いします!ありがとうございました😊」


今回の色=艶あり黒は、ホイールに合わせています。

まるで純正品のようですね。言われなければ手作りされた物とは判らないと思います。この度のご依頼、誠にありがとう御座いました!

Lancer Brembo Caliper

いつもご贔屓頂いている業者さんからランエボ純正ブレンボキャリパーの塗装をご依頼頂きましたので、作業内容を纏めて施工事例として紹介させて頂きます。

現状はいつものように表面のクリアー層が剥がれています。下塗りの赤の硬化(焼付け)が進みすぎた状態で、中研ぎ(足付け処理)無しに上から塗ったクリアーが密着しなかった為に起こる問題ですね。

クリアー層が剥がれて赤が白っぽくなっているのはチョーキングが起きているからで、工業用製品や商業車等に使われる熱硬化型塗料(焼付け塗料)ではよく見られる光景です。郵便局の車で艶具合が継ぎ接ぎになっているようなものを見かけますが、褪色している方が新車時の塗膜で、後から補修した箇所は2液ウレタンなので再塗装したパネルは褪色せず色鮮やかに残っていたりする為です。プラスチック製のバンパーは焼付け塗装が出来ないので同じ理由でここだけ褪色せず鮮やかな赤が残っていますよね。

まずはいつものようにブレーキ屋さんにて洗浄~サンドブラストをお願いしました。

ブレーキ屋さんについては以下の記事で紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

ブレーキキャリパーの下地処理

そのままでも塗れる状態でしたが、塗りあがった時に艶が出るよう梨地の部分を#120シングルアクションで削り、#120~#180のダブルアクションサンダーでペーパー傷を均し、#240手研ぎで研磨しています。

その後よく脱脂清掃し、ブースにセットしたら本塗り開始です。

普通にウェスで拭くような方法では細部の脱脂が出来ないので、シリコンオフをスプレーで上からジャブジャブと掛けて洗い流すようにし、ふき取り→エアーブローを繰り返しています。色々下地処理をしてもこの脱脂処理がちゃんと出来ていないと全てが水の泡ですからね。

よくエアーブローをして埃を飛ばしたら、

まずはプライマーを塗布します。

厚塗りしないよう薄く2コート程を塗布します。

金属素地の部分が残らなくなったら、

膜厚をつけたくない箇所=車体取り付け部やガスケット当たり面、ブレーキパッド固定用シャフトを通す穴の内側にベースコートの黒を塗布します。

特段この黒は塗らなくても良いのですが、プライマーのままだと格好悪いので、新品時の黒アルマイト仕上げを模すような感じで行っています。

ベースコートの黒が乾いたらマスキングを行います。

続けてご指定の色=ランエボ純正ブレンボ近似色のどす黒い赤を塗布します。

F50ブレンボの赤は明るくて鮮やかな赤で、それに比べるとこちらは濃く暗い感じとなります。

続けてbremboのロゴを白で塗装します。

こちらの白はVW社のキャンディホワイト(カラーコード: LB9B)を採用しています。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

ロゴの部分はどうしても塗膜の段差が出来てしまっているので、

完全硬化後にはペーパーを当てて均し、磨き処理を行います。

マスキングした箇所は2回目のクリアーを塗り終わったら直ぐに剥がしてバツ切り際の塗料が馴染むようにしています(そのまま固まってしまうと鋭利な段差が出来てしまいます)。

そして完成です。

作業中の撮影は暗い場合などもあるのでシャッタースピードを速くして手振れ防止優先とし、その後明るく加工していたりしますが、

完成時の画像はサイズの縮小以外は未加工としています。

初期の頃(10年以上前でまだ知人の工場に間借りしていた時)は完成時の画像も明るく補正したりしていましたが、その後カメラを扱うようになって「撮影後の加工で幾らでも綺麗に出来る」(画像編集ソフト=Lightroomの使用)と言う事を知ってからは、「撮ってそのまま」を基本とする事にしました。

使用しているカメラも比較的古い物=NIKON D200となります。

直ぐにノイズが出るのでISOは200、シャッタースピードと露出はマニュアル、ホワイトバランスはオートとしています。

レンズは二種類、20mmと40mmを使っています。上の画像のように全体を収めたい時には広角の20mmで、

部分的に撮りたい時は40mmのマクロレンズを使っています。

手振れ防止機能なども無く、またそこまで明るくないのでシャッタースピードは大体1/20~1/50秒で、手持ちでこうだとどうしてもブレてしまいがちですから、とにかく枚数は撮るようにしています。

同じカットでも5枚くらいは撮ってます(成功率が1/5くらいなので…)。

作業中然り、完成時然り、撮影して画像をアップするのは結構な手間なのですが、これ以上信用性の高い事は無いかと思っていますので、出来るだけこのスタイルを続けていければと思っています。

Lancer EVO Brembo Brakes

昨年お預かりしておりましたランサーエボリューション用ブレンボキャリパー一式です。その後無事車体に装着されたとの事で、改めて作業内容を纏めて施工例として紹介させて頂きます。

ご依頼内容としてはランエボ純正ブレンボのような青黒味の赤への塗装で、こちらの当店規定の配合データから色を作成します。

洗浄~サンドブラスト~マスキングについてはいつものブレーキ屋さんにお願いしています。このままでも塗れる状態ですが、

全体を研磨して打痕や深い傷を取り除いておきます。

その後よく脱脂清掃し、

 エアーブローで埃を飛ばしたら本塗り開始です。

まずはプライマーを塗布します。

プライマーは薄膜で、2コート程塗ります。

膜厚を着けたくない箇所=パッド固定シャフトピン差し込み穴の内側や車体固定部、ガスケット当たり面等にベースコートの黒を塗布します。プライマーのままでも構わないのですが、黒い方が格好良いというのが理由となります。

その後黒く塗った箇所をマスキングします。この後に塗る赤やクリアーを着けないようにですね。

まずは隠蔽力の高い赤で下塗りをし、

続けてランエボ純正ブレンボレッド近似色を塗布します。

ベースコートの赤が乾いたらロゴ入れを行います。

ロゴのサイズは元の通りに、色はVW社のキャンディホワイト(LB9A)を採用しています。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

F50ブレント等に使う赤に比べるとどす黒いのが判るかと思います。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

ロゴの部分は薄く塗っても段差が出来てしまうので、

完全硬化後に#1500→#2000で研磨して均し、磨き処理を行っています。

その後オーナー様から装着後の画像を送って頂きました。


「綺麗になったキャリパー、とても気分がいいです。大事に使っていきたいと思います。丁寧な対応いただき、ありがとうございました。」とのお言葉も頂戴しました。


こちらこそわざわざご報告&画像送って頂き、またこの度のご依頼誠に有難うございました!

Harley Davidson CVO Turn Signal Lens

ハーレーCVOの純正リヤウィンカーレンズです。これまでディーラー様含め何度か施工していた物と似ていますが、こちらはレンズ面にスリット=溝が入ったタイプとなります。

こちらにご指定の濃度でスモーク塗装を施しました。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

ご依頼頂いたのはかなり前で、画像だけ用意して下書きフォルダに入れておいたのですが、新たにお問合せ頂いた内容でこちらと同じレンズだったので施工例のページに追加する事にしました。

この度のご依頼、誠に有難う御座いました!