三菱ランサーエボリューションXのアルミ製ヘッドカバーです。
いつもご贔屓頂いている業者様からの御依頼で、艶あり仕上げの塗装で御依頼頂きました。
状態としては未塗装で、
全体には腐食した跡が見られます。
アルカリ洗浄槽で浸け置きをして油分を除去した後、
各部をマスキングし、
ブラストボックスに入れて、
サンドブラストを行いました。
その後洗浄とリン酸処理を行い、
ヘッドカバー天面を#120→#180で研磨して均します。
天面以外をマスキングします。
ぱっと見は平らに見えますが、洗濯板の様に段々凸凹としていたり、
鋳造時に出来た巣穴があるので、
まずはエポキシプライマーサーフェサーを塗布し、
続けてウレタンサーフェサーを塗布します。ヘッドカバー全体にサフェーサーを塗るとその研ぎ作業にかなりのコストが掛かってしまう為、研ぎやすく且つ目立つ天面のみに留めています。以前施工した同車の樹脂製ヘッドカバーと同じ方法ですね。
その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗ります。
サーフェサーを#320→#400→#500→#800で研磨して均します。
全体シリコンオフで洗い流すようにして脱脂清掃したら、
ヘッドカバー全体にプライマーを塗布します。
ホースパイプ取り付け部はベースコートの黒を塗り、マスキングをしておきます。
まずはカラーベースを塗布します。こちらはマツダ「ソウルレッドプレミアム」(46V)となります。
色については「渋めの赤だけど映えるように」「マツダのソウルレッドがもっと深くなった感じ」「ラメが入ってた方が好みとのこと」「ですがショーカーのような派手なのではなく、キラキラしていれば良い感じ」といったご要望を伺っていますので、
46Vのカラーベースに、若干量の粗目のメタリック=STANDOX MIX598を入れて最後にコートしました。
粒子が粗くなったのが判るかと思います。
その上に、いつもテールランプに使っている透過性の赤=レッドキャンディーを塗布します。
通常マイクのレッドキャンディーに使う鮮やかな赤とは違うタイプで、褪色し難い分、塗れば塗る程色味が濃くなる傾向にある赤となります。
ここまでがベースコートで、
最後にトップコート=クリアーを塗って本塗り完了です。
クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。
ブース内だと全体から光が当たるのでキャンディーカラー特有の深みが判り難いので、
片方の壁の照明を消して光源を一方向からにすると、通常の2コート塗装では得られない深みのある色味を感じる事が出来ます。
動画の方が判りやすいかと思いこちらも撮影しておきました。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
そして数日寝かしたら完成となります。
各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。
プラグキャップが装着される箇所は腐食も出ていなかったので、こちらは塗装せずアルミ素地をそのまま残しました。

この度も当店をご利用頂きまして誠に有難う御座いました!