SHURE GLXDワイヤレスマイク 本塗り

昨年中にお預かりしておりましたシュアGLXDワイヤレスマイクです。

マイク本体は元々艶消し黒の塗装が施されているので、#800~#1300の布状研磨副資材で足付け処理を行っています。

また今回はちょっと特殊な御依頼ですので、本番前のテスト用として似たような径の塩ビパイプをカットして用意しました。

マイク本体とグリルとの間にあるスペーサーは黒アルマイト処理が施されていて、そのまま塗っても密着しませんから、#240で研磨足付け処理後、

プライマーを塗布します。

まずはベースカラーの白として、フォルクスワーゲン「キャンディホワイト」(カラーコード:LB9A)を塗布します。画像はテスト用の塩ビパイプです。

同じようにマイク本体にも白を塗ります。マイク下部(画像だと上側)は黒にするのでそちらは塗らないようにしています。ただし同じ箇所で暈すと肌がミストで粉っぽくなり密着性が悪くなる恐れがあるので少しずつ塗装範囲を変えてドライコートにならないよう気を付けます(こういった事は直ぐには問題が起きないのですが、10年、20年後を考えると差が出て来ます)。

今回はグラデーション部分を「継ぎ目の部分がスプレー噴射したような感じもしくは、塗料をポタポタと垂らしたような雰囲気」といった内容で承っていますので、

色々なガンを試してみて、良さそうな方法を採用します。

こちらはボディシューツ用のガンですね。エアー圧を絞れば良い感じになるのかと思いましたがさすがに塗料が出過ぎました。

良さそうな方法が決まったらまずはテスト用の塩ビパイプに塗装します。

粒々感は良い感じに出来ました。境界部分の範囲はもっと狭い感じが良いですね。

塩ビパイプへの塗装で感覚が掴めたら、実際のマイクに塗装を行います。

スプレーガン吐出口から被塗面には垂直に当たらないと粒が横長になってしまうので、塗り方としてはマイク中心部に向かってスプレー位置を固定し、マイク自体をくるくる回しながら塗っています。

参考画像にあるギターと比べて似たような感じに出来たと思います。

ちなみに本番直前までのテストではこちらの口径0.3mmを考えていましたが、実際にやってみるとベースコートの黒粒子感が細かすぎると感じたので、

急遽口径0.5mmに変えて対応しました。

スプレー方法としては大理石調塗装のような感じで、エアー圧をかなり絞ってガンの吐出口に塗料を溜めて飛ばす、みたいな感じです。その都度トリガーを握っては離してを繰り返すので狙った位置がズレやすく、なのでガンの方では無くマイク本体をクルクル回して塗っています。

ちなみにこの大理石調塗装は昔私が通っていた立川職業訓練学校自動車塗装科で習った方法で、当時その学校で行われていた「技能祭」なる催しで販売する作品=溶接科が作ったスチール製の花壇に、塗装科が木目調塗装や大理石っぽい質感の塗装を施していました。通常の授業では自動車用の部品(主にドアパネル)を使った補修塗装がメインでしたが、建築塗装や工業塗装(金属塗装)なども教えて貰っていたのでそれらが今も役に立っています。

ベースコートが終わったらそれぞれのパーツを分割し、

クリアーを塗って本塗り(下塗り)完了です。

白の上にちょっとだけ黒が飛んだこちらのパーツはそのままでも大丈夫ですが、

こちらの方はベースコートの肌が凸凹してしまっているので、完全硬化後に表面を研いでもう一度クリアーだけ塗る予定です。

こちらのスペーサーは今回で本塗り完了です。

グリルボールも白単色で本塗り完了です。

通常行う塗装では如何に粒子感を目立たなくする必要があるのですが、今回はそれの真逆で普段行わないような塗り方ですから結構緊張しました。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!