そうだ、小物塗装屋になろう(仮)⑨

factory_18前回は工場となる物件探しとか借りる時に必要な費用などを紹介しましたが、今回は小物の塗装に必要な設備やらその費用を紹介しようと思います。

上の画像は今の物件に入居して来たばかりの時で、この時で既に小物の塗装屋としては4年が経過していました。なので引越し中も既にご依頼を待って頂いている方が多くいらっしゃいまして、とにかく一日も早く塗装の仕事が出来るようにと結構大変な時だったと思います。

factory_17塗装の仕事に一番重要なのはクリーンなエアーで、以前間借りしていた工場ではそれがすこぶる良かったですから、私も今の工場ではそれを倣ってオイルフリーのコンプレッサーを入れる事にしました。右の四角いのがそのコンプレッサーで、エアーの水分を除去するドライヤーも内蔵されています。

左側で業者さんが梱包の木枠を解いているのが確か200リッターのエアータンクで、どちらもスプレーガンと同じIWATA社の物です。

factory-47その他エアーを繋ぐ配管やエアー内のゴミを取り除くフィルターが必要で、小物の塗装でもエアー関係には100万円くらいは必要になるかと思います。まあでもコンプレッサーは中古でも良いと思いますけどね。

factory_23 そして塗装を行う場所である「塗装ブース」ですが、これについてはピンきりで、大体300万~1000万円くらいと性能によって色々な種類があります。

当工場の場合は天井高が低かったので市販品の塗装ブースを入れる事は出来ず、上の画像の排気装置のみを購入して、後は自力でブースを作ると言う少し変則的な方法で行っています。

ちなみにこの排気装置は塗料溶剤の浄化装置も兼ねていて優れものではあるのですが、それだけにこれだけで安い塗装ブースが買える程の金額はしたりします。まあでもこれのお陰で都内の住宅地でも塗装の仕事が出来ているんですけどね。

factory_24塗装ブースを自作するのは実は二回目で、そもそも勤めていたディーラーでも在籍中に本ブースを4基導入すると言う光景を見ていましたから大体の構造は判っていて、作業自体は難しいと言う事ではありませんでした。機会があれば塗装ブースの作り方みたいなのも紹介したいと思います。

domaちなみにまともに買うと高いのがこういった蛍光灯ユニットなどの設備備品で、ただ工場移転の計画は1年前から始めていましたから、ネットオークションなどで出品されている在庫品などを見つけては買い集めて少しずつ溜め込んでいました。

factory-45と言う訳でこんな感じで塗装ブースが完成です。手作りと言っても給気系は本ブースと同じく1次フィルターと2次フィルター(天井フィルター)を通っていて、強制的にクリーンなエアーを供給出来るようになっています。天井がほぼ全面フィルターですからね。

本当は床から排気してくれるのが理想ですが、さすがにコンクリートの床を掘るまでには至りませんでした。出来るならばその方が間違いは無いです。

electric1 給排気のファンはインバーターで制御調整が可能で、これのお陰でブース内の気圧を一定に保てるようになっています。友人が機械制御の仕事をしているので本当に助かりました・・・。

と言う訳で、自分の工賃分を入れてしまうとアレですが、塗装ブース関係は先ほどの排気浄化装置を入れても大体500万円くらいで済んだと思います。まあでも普通ここまでのお金を掛けるなら本ブース買った方が早いですけどね。自分は他の事が出来ますし。天井高が4メートルあれば普通に買っていたと思います(ここは3.5mしか無かったのです)。

standox_4塗料に関してもピンキリで、外資系の塗料はまともに買うと300万円くらいはすると思いますが、私の場合は元々DUPONTを使っているところに今のSTANDOXに入れ替えるキャンペーンみたいなのがあったので、そのお陰で非常に安く揃える事が出来ました。

一般的には200万円くらいあればある程度の物は揃うと思いますし、またはミキシングマシーン(上記の棚)を中古で見つける事が出来ればもっと費用は抑えられると思います。私の場合はDUPONTの時も新品でしたが、これのハーフサイズにして費用を抑えていました。

factory-140その他エアーツールやらハンドツールなど、一から揃えるとあっという間に200万円くらいにはなってしまいますが、こういうのは徐々に増やしていけば良いのでとりあえず必要最低限の物から始めていけば良いと思います。エアーツールも昔に比べれば全然安くなりましたしね。

私が小物の塗装をする上で良かった事は、自動車塗装屋だった頃にある程度の塗料材料や工具(特にエアーツール)などが揃っていた事で、そのお陰でスムーズに小物の塗装に移行できたと思います。

またその後、知人の工場に「間借り」と言う形で塗装に必要な設備を使わせて貰えた事も大きいです。その間にお客様も増えましたし、都からお金を借りる事も出来ましたので。いきなり開業してお金を借りて設備を整える!と言うのは保険仕事の無い小物の塗装ではさすがに厳しかったと思います。

と言う感じで、工場物件を借りるのに200万円くらい、設備を整えるのに800万円程度、合計1000万円くらいあればいきなりでも塗装工場をオープン出来ると言う訳です。高級外車を買うくらいのお金で自分の工場が持てるなら決して高くは無いですよね。どうせなら土地を買って自宅兼塗装工場を建ててしまう!と言うのもアリだと思いますし(私も最後はそれで行こうと企んでいます。笑)。

今度機会があれば塗装ブースの作り方を紹介しようと思います。基本的な構造はそのままに、サイズだけを小さくすれば自家塗装でもゴミの付かない環境が作れるかと思いますので。肝は排気では無く給気なんですよ!と。

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