先ほど日記の方でも紹介していましたZ-1パテです。タイトルが「パティ」になっているのは実際はそういった発音らしく、私が塗装屋として最初に勤めていた会社は外資系だったので社内には外国人も多く、「タカハタサーン!スィナークダサイ!」みたいな事を言っていて、最初は何を言っているのか判らなかったのですがどうやらこれは「シンナー」の事だったのです。
まあそんな事はどうでも良いとして・・・。
蓋を開けてみるとこんな感じで、見た目からするとまるで米麹(!)みたいなのですが、実際はとても凄いパテなのです。
このパテの特徴としては、
・エポキシ系なので密着がとても良い
・すこぶる軽い
と言った事があって、あまりにも軽いので初めて缶を持った時は中身が空なんじゃないか!と思うくらいです。その癖非常に高いので、何か騙された感じがするというか、とても損した気分になります。
ただこの軽さはパテとしては非常に有効で、例えば自動車ボディのスムージングなどに使った場合、勢いよくドアを締めたらパテが剥がれ落ちた!なんていう事も成り難くなるのです(パテを厚塗りすると重みがあるので本当にそういう事があります)。
混合比は10:2で、当然ですがちゃんと秤で測ります。ポリパテはメケン(=目見当)でも何とかなりますが(実際は硬化剤を入れ過ぎるとニジミが出るので駄目ですよ)、エポキシは本当にこの辺がシビアなのです。
攪拌についてもポリエステルやウレタンは結構適当でも大丈夫なのですが(勿論これも駄目ですが)、エポキシは本当に簡単に硬化不良が起こるので、しつこいくらい練り混ぜておく必要があります。ただポリパテと違って可使時間が長いので、その辺は焦らずに出来るのが良い点でもあると思います。
ちなみに今回このパテを使ったのは日記で紹介しているロードスターヘッドカバーの「凹み文字」を埋める為の物で、ただちょっと作り過ぎて余ってしまったのでそのまま捨てるのも勿体ないですから、試しに少し遊んでみました。
下に敷いてあるのはクリアーファイルの切れ端で、書類など入れておく普通の物です。
こんな感じで簀巻きにして、マスキングテープで開かないように固定しておきます。何がしたいって訳では無く、材料的にとても高い物なのでそのまま捨ててしまうのが惜しくて・・・。
で、熱を掛けるとこんな感じに固まります。パっと見は堅そうなので、どれくらい強度があるのかと思って力を入れてみたら、実は簡単に折れてしまいました(苦)。
まあこれはこのパテが「軽量」を売りにしているからで、パテの性質を決める体質顔料が、恐らくはガラスビーズとか強度とは関係の無い物が使われているからだと思います。密着性自体はエポキシ樹脂に依存するのでその点は全く問題ありませんからご安心くださいませ(何故私がフォローを・・・)。
ちなみに強度が欲しい場合はファイバーのような「筋」となる物を一緒に巻けば相当強くなると思います。コンクリートの中に入れる鉄筋と同じような感じですね。
ちなみにこのパテは、現在お預かりしているBMWのカーボンパニアケースの下地に使おうと思って取り寄せた物で、今回先にロードスターのヘッドカバーの凹み文字埋めに使う事になりましたが、以前よりも数段使い易くなっているのが判って非常に安心しました。何といってもパニアケースの方は総パテ必至、ですから(苦)。