先日塗装の仕事で「電気機器のプラスチックケースを漆仕上げのように」と言うご依頼があって、ただ今回は納期的にかなりタイトだった為(全く失敗が許されません)、今回は専門の業者さんにドライレタリングを作製して頂いての対応となりました。以前市販のドライレタリングは使った事がありますが、オーダーメイド品の使用は初めてです。
しかし何かしらのトラブルが出たら取り返しのつかない事態になりますので、時間が無い中でも事前にテストを行ってからとしました。
塗り方は基本的にはいつも使っているデカールと同じような感じですが、水を使わないのでセッティングタイム(乾燥・重合・硬化するまでの時間)を設けなくて良い事と、転写するのはインク部分だけなので気泡やゴミ噛みなどを(余り)気にしなくて良い事といったところでしょうか(実際にはそうでも無いのですが)。
事前のテストで調べたいのは「どうしたら問題が起こるか」と言う事で、湾岸ミッドナイトに登場するリカコ嬢よろしく(笑)、限界を超える量のクリアーをろくにフラッシュオフタイム(コート間の乾燥時間)を設けずタップリ塗り込んでみました。まるで親の仇のように(笑)。
塗った直後は大丈夫だったのですが、クリスタルクリアーはレベリングが良い反面いつまでもウェットな状態が続く(溶剤が籠る)ので、
塗ってから30分くらい経つと何だかレタリングが浮き気味になって来ました。
さらにタップリ塗った方はもうチヂレ状態です。マジですか・・・(恐)。
と言う段階を経てある程度のリスクが分かったので、次は本番さながらでテストを行います。あちらは捨て石と言うか人身御供です(笑)。
事前のテストでクリアーを一気に塗り過ぎるとインクを侵してしまう事が判ったので、一回目の塗装では肌は気にせず乾燥の早い硬化剤とシンナーを使ったイージークリアーを使い、その後熱を掛けて完全硬化後、肌を均し改めてクリスタルクリアーを塗る事にしました。
上の画像は二回目のクリアー塗装直後の状態で、この時点では既に下地が出来ているのでいくらウェットに塗ってもレタリングが浮く事はありません(と言うかそんな事が起こるならクリアーが縮れて再起不能状態ですし)。
と言う訳で出来上がったのがこちらの製品です(掲載のご承諾は頂いております)。
既に納品も終わっていて、仕上りも喜んでいただけたようで本当に何よりでした。
作業内容も多少なり撮影しているので、後日改めて施工例として紹介したいと思います。
今回の塗装で御協力頂いた方々にはこの場を借りてお礼申し上げます。誠に有難う御座いました!
カッコいいですねー
バタバタしていてあまりサイトを見れていませんでした。
おお、もしやエアーズロックでしょうか(笑)
こちらは元々がベージュ色のプラスチック素材で、中に電気機械が入るので構造自体は維持しつつ、そのチープさを払拭して日本家屋に似合うように、みたいな感じだったのではと思っています。
掲載OK頂いていますので今度施工例で紹介しますね。