色相環キーホルダー ウォルナット仕様 完成

先日紹介していた、ウォルナット無垢材を使った色相環の色見本キーホルダーです。

一つずつ木目が違うので、こちらは実物を見てから購入して欲しいと思い、販売は今年の5月に開催されるデザフェスでの出品を考えていましたが、「欲しいけど遠方で買いに行けない」という方がいらっしゃったので、ウェブショップでも販売する事にしました。尚、そちらでは「天然木を使用しているため、1点ごとに木目は異なります。木目は選べません。ご了承くださいませ。」という注意事項を記載しています。

ウォルナット仕様は数種類あって、とりあえず一番安価な仕様=オールウォルナットと、こちらの結晶塗装の2種類をウェブ販売する事にしました。

ウォルナットを使った背板に比べるとこちらの結晶塗装の方が手は掛かっていますが、これらは「本塗りの前に結晶目を見る為の練習台」みたいな感じで塗っているので、実はそんなにコストは掛かっていません。採用しているのも綺麗な結晶目が出た物だけを使っていて、普段仕事でやっている「お預かりした物を施工する一品物」に比べれば失敗が許されるので精神的には非常に楽なのです。手休め的に出来る丁度良い息抜きになっていたりもします。

ちなみに当初購入していたウォルナットは厚さが2ミリまでだったのですが、

その後1ミリ~1.5ミリまでの物を作ってくれたので、

それを背板とした、こちら「オールウォルナット」の仕様が出来た感じです。

私的にはメリハリが無いのでそんなに好きでは無いのですが、

天然素材が好きと言う方は結構多いので、一般向けとしては良いのかも知れません。私的には塗る箇所が少なくて助かるのですが(笑)。

尚、これがアクリル板の場合はレーザー彫刻しただけでは駄目で、その跡に彫った溝に塗料を入れる必要がありますが、ウォルナット材はその焦げ目だけで線が表現出来るので、これも楽でとても助かっています。

ちなみにTwitter(X)を見ていて気付いたのですが、「製造は外注任せ」と言う方が結構いらっしゃって、加工は勿論ですが発送までを外部委託、本人はアイデアと設計だけしかやっていないようなのです。確かに量を作って利益を上げるのならその方が良いのでしょうが、私的にはやはり自分の手で最初から最後までをやり遂げたいですかね(うちの口座残高が一向に増えない理由の一つがこれなのだと…)。

色相環キーホルダー ウォルナット仕様

ほぼ完成形に至った色相環キーホルダーですが、

その後2ミリ~3ミリ厚のウォルナット無垢材を入手したので、これを使ったウッド仕様のキーホルダーを作成する事にしました。ただそのままだと仕上がりが悪くて使えないので、ダブルアクションサンダー#80→#120、手研ぎ#120→#180→#240で目を均しています。

アクリル板の場合は予め台紙が貼っていますが、この場合は木素地が剥き出しなので、焦げ目がつかないようマスキングテープを貼ってからレーザー加工を行います。

レーザー彫刻&カットで裏と表のパーツを切り出した状態です。この後このマスキングテープを剥がす作業は結構面倒なので、これは持ち帰って作業するようにしています(自宅での作業は工賃として考えない為)。

アクリル板に比べて良い点としては(楽な点としては)レーザー彫刻した所が焦げて色が濃くなるので、この後溝に色を入れなくて良い事です。材料費は高くつきますが、作業が楽になる分コストを落とせています。

出来上がった枠に結晶塗装の黒を塗った背板と、ミラーアクリルのキャンディーカラーピースを取り付けて完成です。渋くて良い感じですね!

こちらはそれぞれの色相環ピースを違う仕様にした物で、手前からソリッドカラー、メタリックキャンディーカラー、ミラーキャンディーカラーとなります。私的な好みとしては木目にはメタリックキャンディーが合いますかね。

さらに薄い板=1mm厚のウォルナット材を入手したので、背板もこれで作ってみました。オールウォルナット仕様ですね。

裏側のデザインは既存と同様で、色相環のそれぞれの色をRGB値で記しています。

当初はこの木目が製品毎にバラつきがあるので気に入らなく(私的にはiPhoneのようなカチっとした個体差の無い工業製品的な品質が好きです)、幾つか作ってはみたものの製品化をする予定は無かったのですが、ワークショップを開催した時に参加された方々からの評判が良かったので考えを改めた次第です(毎回これな気がしますね…)。

その後もウォルナット材の入手を安定して出来ているのである程度の数を制作出来ましたから、デザフェスの前にウェブショップでの販売も検討しています。販売日時についてはTwitter(X)で事前にお知らせしていますので、もし宜しければそちらもチェックして頂ければと!

色相環キーホルダーウッド仕様作成

以前テスト的に作っていたウォルナット枠の色相環キーホルダーですが、当然ですが使う木はどれも模様が違いますからどうしても仕上りにばらつきが生じてしまい、それが嫌でその後お蔵入りにしていました。よく言えば「どれも違っていて世界に一つしかない」になるのかも知れませんが、私的には一番良いと思った物とイマイチな物が同じ商品になるのが嫌なんですよね。iPhoneのようなカチッと整った高レベルな物を、個体差無く作れる方が好きです。

と言う事ですが、先日行ったワークショップでかなり評判が良かったので、気を取り直して(笑)こちらを増産する事にしました。材料費的にはアクリル板に比べるとかなりのコスト高になってしまいますが、彫刻した文字の部分を塗らなくて良い分で相殺しています。

そのまま彫刻&カットすると木の表面が焦げるので、マスキングテープをからレーザーで加工しています。

その他背板も在庫が無くなっていたので増産しています。

これも初期の頃からすると大分改良されていて、作れば作る程完成度が上がっていくのは楽しいところでもあります。

 

こちらはホログラムラメ仕様です。

自宅でネチネチと作っていたのですが非常に効率が悪いので、工場で纏めて作る事にしました。

通常ラメとなると黒やグレーやシルバーを下に塗ってからその上に重ねるのが一般的ですが、私的に粒子感の隙間から見えるそれが気になるので、「ラメで完全隠蔽させる」といった手法をとっています。非常に膜厚が着くので一般的な塗装面では出来ませんが、透明アクリルの裏から行うのでこれが出来ます。ただ行程が増えるのでこんな事は誰もしないと思いますが…。

裏側のラメが完了したら表側にクリアーを塗ります。ちなみにこの後これらは殆ど廃棄となりました(笑)。前からどうも変だと思っていたのですが、沈殿したラメが素材(今回の場合アクリル樹脂)に到達すると、そこで密着性が低下してしまうみたいなんですよね。なので今は一度クリアーを塗って完全硬化させてから再度足付け処理をしてクリアー→ラメ→クリアーを繰り返して仕上げています。さらに面倒くさい事に・・・。

 他にはいつもの結晶塗装バージョンも作成しています。

もちろんこれ単体で塗っていたら会社が破綻してしまいますので、仕事の御依頼品と一緒に、本塗り前のテストピースとして塗るようにしています。この時はフェラーリのエンジンルーム内に装着されるアルミプレートを塗りました。

同じ色相環のピースでも、それぞれに組み合わせる枠や背板のパーツによって全然雰囲気が変わるのが面白いですよね。

来年の5月に開催されるデザインフェスタNo.59に抽選したので、これらのキーホルダーはそちらで販売する予定です。ウェブ販売を希望されている方も居らっしゃるので何とか200個は作りたいですね!(なので最近寝不足です…)。

猫型ドット画キーホルダー作成

今年の4月頃にお迎えした保護猫のつくねですが、

スマホのアプリで作って貰ったドット画を元に、

Illustratorでベクターデータを作成、

色見本帳から実際の色に近い感じの物を彩色し、

良さそうな色を選んだら、

それをデータ化して、

レーザーカットしたアクリル板に塗装を施しました。

それらのパーツを組み合わせ、いつもの土台に取りつけたら完成です。

枠は余っていた物を使ったのでマット地で、

中央のつくねと背板は艶あり仕上げとなっています。ちょっと判り難いですかね。

リュックに取り付けて撮影をしました。

一応は「色見本」を銘打っているので、それぞれ使った色はデータも残しています。

それぞれの色について具体的に言うと、


■背板の白・・・VWキャンディホワイト(LB9A)

■枠と目と口の黒・・・STANDOX原色 MIX571

■目の黄色・・・フェラーリGIALLO MODENA(4305)

■顔のグレー・・・PRO_Fit Color Chip Gray No.5


となります。なので後で同じ物を作る場合、これと全く同じ色で再現が可能です。一見当たり前の事のようですが毎回これを行おうとするのは結構な手間で、ぶっちゃけ適当に混ぜて作った方が断然楽だったりしますが、そこは塗装を仕事にしている身としてはちゃんとしておきたい所ですかね。実際企業様からの案件で、最初に御依頼頂いたマイクの塗装から数年経って「前回塗ったマイクと全く同じ色で」と御依頼頂いて、しっかりそれに応えられた経緯があったりしますので。

フィギアとかでは無い、こういった2次元的な物への塗装となると、どうしても単調な感じになり易いですが、今回のようなピクセルアートだと塗装との相性が良く、また組み合わせ次第で色々なキャラクターが作れるのが良い所だと思います。今後ワークショップやデザフェスでの販売といった事も出来そうな気がしています。

またそれぞれのパーツは1ミリ、2ミリ、3ミリと、それぞれ厚みの違うアクリル板を使っていて、立体感があるのもアクセントになって面白いと思っています。立体物に施された塗装は見る角度や光の当たる方向によって違った表現を感じられる(フリップフロップ性)のが良いところで、また塗装の質感は素材そのものに比べると段違いに良いですから、一度それを知ると(見ると)、また御願いしたくなるという事で当店

その後違う種類の猫ちゃんも作りました。

また普通に塗装で行っても面白いかと思い、時間が出来たらマイクの色見本なんかも作ってみようと思っています。

デザフェスでの販売方法としては、各色に塗装したパーツを購入される方に選んで頂き、その場で組み合わせてオリジナルのキーホルダーを作る!みたいな感じを考えています。

ゴールデンウィーク前から続いていた忙しさがようやく落ち着いてきたので(結局GWも夏季休暇も一日も休めていません・・・)、何とか年内に形に出来ればと思っています。