BMW Bonnet Badge Restoration

bmw84 ちょっと古いタイプのBMW純正ボンネットバッジで、既存の塗膜が劣化してボロボロになっていました。通常こういった物は新品に交換するのが一般的ですが、大事な思い出があるとの事で修復を御依頼頂きました(間違っていたらすいません)。

bmw128 塗膜が割れて剥がれているのは中央部分で、かろうじて黒い部分は無事ですが、全体に白い点々が出ているので結局塗装自体は全色行っています。それぞれの色の塗り分けには凸凹の段差が付いていて、そのデザインも勿論残しつつ元の状態に戻します。

bmw130 黒い部分は残すので、そことの境界線をカッターで切込みを入れて剥がれかかっている塗膜を除去します。

bmw132 色も元のように復元するので塗膜片は残しておきます。

bmw136 剥がれ難い部分はペーパーを掛けて削り落としますが、アルミ素地をそのまま残す箇所もあるのでそこは傷を付けないように気をつけます。

bmw138 青と白の塗膜が除去出来ました。

bmw140アルミの素地を残す部分を磨いておきます。周りのフチも同様にです。

bmw139 本来はプライマーを塗らなければいけないのですが、今回はさすがにちょっと特殊なのでいつもとは違うやり方でやらせて貰っています。画像は磨いた部分を避けて綿棒でリン酸を塗っているところです。

bmw142 そしてまず一回目のクリアー下塗りです。本当はここをプライマー&サフェーサーにしたいところですが、残念ながら透明なそれがありませんので密着剤を塗って普通のクリアーを塗っています。普段の仕事ではお受付出来ませんのでご理解下さいませ。

bmw149溝の段差があるのは見た目だけで、最終的な表面はフラットになっていますから、途中工程である程度平滑に研いでおきます。

bmw145 黒を塗る時に「BMW」の文字を残さなければならないので、その部分のマスキングシートを作製する為にデータを作ります。

bmw154 マスキングが少しズレているのは既存のラインよりも少し大きめに塗って輪郭をシャープに仕上げる為です。サイズを間違えている訳ではありません。

bmw156 ベースコートの黒を塗り、二回目のクリアーを塗ります。まだ段差は大分残っています。

bmw157 いよいよブルーとホワイトの部分の塗装に入ります。

bmw159最初に剥がして取っておいた塗膜片を参考に色を作ります。

bmw87溝部分のマスキングシートも予め幅を測って作っておきました。1.0mm~1.5mmくらいだったと思います。

bmw89 一応柄を間違えないようにオフィシャルサイトでマークを確認しながら塗っていたみたいです(苦笑)。まあでも自分の記憶にだけに頼ると本当にロクな事がありませんから確認は大事ですよね。

bmw90 そして全ての色の塗装が完了しました。多分一人ガッツポーズをしていたと思います(笑)。

bmw91クリアーを塗って見た目は完成したように見えますが、まだかなりの段差が残っているのでこの時点では未だ下塗りです。この時点で3回目のクリアーですかね。

bmw162クリアーが完全硬化したらこんな感じで平らに研ぎます。

bmw166 そして再びクリアー塗布です。確かこの時点でもまだ段差が残っていたような記憶があるので、恐らくもう一度塗って都合クリアーは6回塗っていると思います。

bmw167 そして完成です。表面のクリアーはフラットですが溝部分の凸凹はちゃんと残っているのが判ると思います。これのお陰でノッペリせずに済んでいるんですよね。

bmw169作業自体は自動車塗装の応用ですが、恐怖なのは前例が無い事で、しかも失敗した時はどうなるのか・・・と言う事だと思います。

もし当店がまっとうな会社だったらこういった依頼は本来断わるのがセオリーな筈ですが(笑)、その辺が一人でやっている身軽さと言うか利点なのだと思います。自分が雇われている立場で社長(上司)からこれやれって言われてもやりませんし(普通は逆ギレしますよね)、社長の立場で社員にこれやれとは口が裂けても言えません。ただこういった仕事は確実に自分のスキルアップになるので、出来れば(出来る範囲で)今後もやっていきたいと思います。まあ何とか無事終わったのでこんな事が言えているのですが(笑)。