ロータスエキシージヘッドカバー塗装 完成

 大変お待たせしました!ロータスエキシージV6エンジンのヘッドカバー×2、STANDOX 3コートSPFシルバーの塗装で完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

 元々は普通のアルミ鋳造ヘッドカバーで、

表面はザラザラとした梨地にパーティングラインなどのバリもあり、

また元々あった凸部の研磨平滑化もご指定頂いておりました。

アルミ素材なので当然手で簡単に削れる訳は無く、主にシングルアクション系のサンダー(エアーツール)を使って素地調整を行い、

「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑な下地を造りあげました。この形状で(笑)。

 また使用した塗料は通常のシルバーでは無く、比較的扱い易くなった高輝度メタリックのSTANDOX JLM-906を使い、下色に黒を塗る3コート仕様で金属感の高い仕上がりにしています。

 また今までの高輝度メタリックのように足付け処理無しで塗装を塗り重ねるような事はしていない為、耐久性は通常の塗装と同様に出来ているのが特徴です。

また一部のネジ穴を埋める作業も承っていましたので、そこにはプライマーを塗ったイモネジを奥まで捻じ込み、

構造用エポキシ接着剤を使って平滑に仕上げています。

 途中に熱を入れる工程で穴の跡は出ていませんので、今後もそれが浮き出て来るという事は無いと思われます。

 ただ思っていたよりも素地の歪が大きかった為、目立つ穴埋めをした箇所の天面は広範囲にエポキシを塗って平滑なラインに仕上げています。

 この形状でタップリ塗ったサフェーサーを研ぐのは中々に大変でした。

 塗装屋さんなら判ると思いますが、単にサフェーサーを研ぐだけでは研ぎスジや肌目が残ってしまう為、ほぼ全面当て板(ヘラや小さいアクリル片など)を使ってペーパー研ぎ作業を行っています。

 ただし高輝度メタリックは通常のシルバーメタリックに比べてさらにペーパー目が出易い(粗が判り易い!)と言う事もあって、サフェーサーを研いだそのままでは到底塗れず、一旦は艶ありの黒(通常通りの2コート仕上げ)で下塗りをし、その上に本塗りを行っています。

 SPFシルバーはメッキと言うよりかはアルミに近い質感です。

 原色であるJLM-906をバインダー(ベースコート用の透明な樹脂)で6倍に希釈し、下色の黒を完全に隠蔽させないようにして透かした時の黒味を表現しています。

 この形状で全体に均一に透過するシルバーを塗る為スプレーは多方向から、またエアー吹き返しの少ない低圧ガン(デビのDEMI 口径1.0mm)を使って対応しています。

 どうしても塗料が入らない個所はノズルパターンを最小にして狙い撃っています。画像左上にある柱の間などはそうですね。普通に塗っても色は入りません。

 この辺の逆アールライン箇所もかなり凸凹でしたが、サフェーサーの塗布~研磨で綺麗なラインに表現出来たと思います。

 しかしいつもの事ですが、ここまで大変だとは思いませんでした(苦笑)。

 オイルキャップが装着される個所やガスケットが付く面は塗装せずアルミ素地をそのまま残した仕上りにしています。

 一応室内の照明下でも撮影してみたのですが、

 メタリックの輝きが強過ぎて白飛びしてしまい、上手く撮れません…。

画像は全て未加工で、撮ったそのままでの掲載となっております(サイズの縮小のみしております)。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!