YAMAHA VMAXキャブレターサイドカバー 本塗り

 先日サーフェサーを塗布しておいたヤマハVMAXの純正キャブレターサイドカバーです。その後60℃40分程の熱を掛け、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

 プラスチックパーツ特有の端の反りが強かったので、当て板を使って#600で水研ぎし、その後#800の手研ぎでラインを均して、最後に当たりの柔らかい布状研磨副資材(アシレックスレモン)でペーパー目を均しました。

 台にセットし、よく脱し清掃したら本塗り開始です。

 今回は形が複雑なのでスプレーガンでは無くエアーブラシ(SATA DEKOR 0.5mm)を使う事にしました。

 色は以前プレオのルームミラーに採用したSPFシルバーで、下色の黒を透かすよう樹脂で10倍に薄めた仕様(1:9)となります。

 また道先案内人的な感じで、色々なテストピースも用意しました。

 高輝度シルバーを美しく見せるには下色の肌を荒らさない事が必須事項で、最初に塗る黒はとにかくウェットに塗ります(トップコートでは無くベースコートです)。黒はIWATAのLPH-50(口径1.0mm)を使っています。

 1コート毎にしっかり乾燥させて塗り重ねていきます。

 スプレーガンに入れる塗料は濾紙(ストレーナーor吉野紙)を通していますが、ガンカップの中が本当にクリーンなのかが不安なので、最初に入れる塗料はわざと少量にし、最初の裏吹きやテストピースで使い切ってしまうようにしています。高輝度メタリックは下地が非常に重要です。

 その後バインダー(樹脂)で薄めたSTANDOX JLM-906を塗り重ねていきます。比率は以前使ったデータ通り、「JLM906:MIX599=1:9」となります。

 前回プレオを塗った時は「ウェットで3コート」と記録していたのですが、今回は形が複雑なので(特に溝の奥には色が入り難く)そこまでウェットに塗れませんから、シンナーを揮発が遅めのタイプ(25-35)にして、ドライ気味重ねていきました。結果セミウェットコートになるような感じです。

 下地の黒を隠蔽してしまうと意味が無いので、薄くムラにならないように塗り重ねました。

 そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 メッキ調の塗装に比べると劣りますが、STANDOX規定の塗膜性能を保持出来ているという事ではとても意味があります。

この状態だと全方向から光が当たっているので平面的に見えてしまいますが、普通の状況で見るとさらに金属感が高く感じられるかと思います。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

YAMAHA VMAXキャブレターサイドカバー塗装承ってます

先日到着しておりましたヤマハVMAXの純正キャブレターサイドカバーで、こちらのオーナー様は先日同車のダクトカバーの塗装ご依頼頂いた方となります。この度も当店をご贔屓頂き誠にありがとうございます!

元々は装飾クロムメッキが施されているらしいのですが、このパーツは経年の劣化でメッキが浮いて剥がれてしまうとの事ですので、今回はメッキを剥がした状態の物を御用意して頂きました。

ご依頼内容は以前プレオのルームミラーに施工した3コートSPFシルバーで、また下地は一旦サフェーサーで整えてからの上塗りとします。

プレオルームミラーの画像を紹介させて頂きますね。

元々は梨地だったものをサフェーサーで下地を整え、下色に黒を塗ってそれを透かすようにしてSTANDOXの高輝度メタリック(JLM-906)を重ねています。

プレオルームミラーの他の画像についてはこちらのページからどうぞ。

もっとメッキ感のある塗料で、比較的新しい製品の物を最近テストしてみたのですが、やはりと言うか通常の塗膜に比べて密着性が劣るので、通常の仕事に採用する予定はありません(ただしそれ自体を消耗品と考えるマイクであれば今後対応するかも知れません)。

その点今回のSPFシルバーは通常の2Kシステム=Two-component paintsとなる為、ホワイトパールなどの一般的な3コート塗装と同様に安心して使えます。

 

先日完成してお納めしたVMAXダクトカバーについても紹介をさせて頂きますね。

アルミ素地にクリアーが塗られた箇所を艶ありの黒に、下側は純正と同じくつや消し黒に、YAMAHAの凹み文字部は落ち着いたシルバーで塗装しています。その他の画像はこちらのページから、また後日オーナー様から取り付け後の画像とコメントも頂戴していますので、よろしければこちらのページからご参照くださいませ。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

ロータスエキシージヘッドカバー塗装 完成

 大変お待たせしました!ロータスエキシージV6エンジンのヘッドカバー×2、STANDOX 3コートSPFシルバーの塗装で完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

 元々は普通のアルミ鋳造ヘッドカバーで、

表面はザラザラとした梨地にパーティングラインなどのバリもあり、

また元々あった凸部の研磨平滑化もご指定頂いておりました。

アルミ素材なので当然手で簡単に削れる訳は無く、主にシングルアクション系のサンダー(エアーツール)を使って素地調整を行い、

「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑な下地を造りあげました。この形状で(笑)。

 また使用した塗料は通常のシルバーでは無く、比較的扱い易くなった高輝度メタリックのSTANDOX JLM-906を使い、下色に黒を塗る3コート仕様で金属感の高い仕上がりにしています。

 また今までの高輝度メタリックのように足付け処理無しで塗装を塗り重ねるような事はしていない為、耐久性は通常の塗装と同様に出来ているのが特徴です。

また一部のネジ穴を埋める作業も承っていましたので、そこにはプライマーを塗ったイモネジを奥まで捻じ込み、

構造用エポキシ接着剤を使って平滑に仕上げています。

 途中に熱を入れる工程で穴の跡は出ていませんので、今後もそれが浮き出て来るという事は無いと思われます。

 ただ思っていたよりも素地の歪が大きかった為、目立つ穴埋めをした箇所の天面は広範囲にエポキシを塗って平滑なラインに仕上げています。

 この形状でタップリ塗ったサフェーサーを研ぐのは中々に大変でした。

 塗装屋さんなら判ると思いますが、単にサフェーサーを研ぐだけでは研ぎスジや肌目が残ってしまう為、ほぼ全面当て板(ヘラや小さいアクリル片など)を使ってペーパー研ぎ作業を行っています。

 ただし高輝度メタリックは通常のシルバーメタリックに比べてさらにペーパー目が出易い(粗が判り易い!)と言う事もあって、サフェーサーを研いだそのままでは到底塗れず、一旦は艶ありの黒(通常通りの2コート仕上げ)で下塗りをし、その上に本塗りを行っています。

 SPFシルバーはメッキと言うよりかはアルミに近い質感です。

 原色であるJLM-906をバインダー(ベースコート用の透明な樹脂)で6倍に希釈し、下色の黒を完全に隠蔽させないようにして透かした時の黒味を表現しています。

 この形状で全体に均一に透過するシルバーを塗る為スプレーは多方向から、またエアー吹き返しの少ない低圧ガン(デビのDEMI 口径1.0mm)を使って対応しています。

 どうしても塗料が入らない個所はノズルパターンを最小にして狙い撃っています。画像左上にある柱の間などはそうですね。普通に塗っても色は入りません。

 この辺の逆アールライン箇所もかなり凸凹でしたが、サフェーサーの塗布~研磨で綺麗なラインに表現出来たと思います。

 しかしいつもの事ですが、ここまで大変だとは思いませんでした(苦笑)。

 オイルキャップが装着される個所やガスケットが付く面は塗装せずアルミ素地をそのまま残した仕上りにしています。

 一応室内の照明下でも撮影してみたのですが、

 メタリックの輝きが強過ぎて白飛びしてしまい、上手く撮れません…。

画像は全て未加工で、撮ったそのままでの掲載となっております(サイズの縮小のみしております)。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!