FT-86 内装パーツ一式 本塗り

ft865業者さんからの依頼以外ではこれが移転後の初塗りですかね。塗装ブースはまだ完成という訳では無いのですが、通常使用は問題ありませんのでFT86の内装部品一式は早速本塗りしてみました。テストではありませんので御安心下さいませ。

ft866 塗装自体のスタイルは今まで通りにやるようにして極力違和感が無い状況で作業が出来るようにしています。

ちなみにこちらの部品はお預かりしてから約二ヶ月ですが、作業着手をしたのは昨日からですからやろうと思えば2日で塗れるのです。

「では何故そんなに時間が掛かったのか」ですが、これはこちらで何度も紹介しているように塗装は技術や材料以前に「環境」が必要だからです。と言うか私的にはこれが一番大事なのではと本気で思っています。技術は毎日やっていれば徐々に上達する物で、材料は安い物から高い物までピンキリですが「知らなければ」安い物でもそれなりに見れるようには出来るのです(当然色々と知ってしまうと上はキリまで見えなくなるのですが・・・)。

ただ設備だけはどうにかして用意してあげないと塗装はまともに仕上がらないのです。がんばってその場だけ綺麗にしたとしても後から問題が起きたりもしますし、そもそも「綺麗」の基準もどこまで求めるかで全然違ってくると思いますし。

ft867 という事で無事本塗り完了です!流石に結構緊張しましたが仕上がりは今まで通りに出来たと思います。ちなみに今日気がついたのですがやはり塗装する機会が減っていたのでガン距離が今までより離れていた気がします。気にしてやっていないとリスクを回避する為にガン距離は徐々に離れていってしまうんですよね。今回で修正しました。

ft868 照明は想定していた以上に取り付ける事が出来たので「暗くて見え難い」という事は皆無でした。コンプレッサーからのエアーもクリーンでハジキは一つも出ません(当然ハジキ止めも使ってません)。ゴミの付着も殆ど無くノンポリッシュ(磨き無し)で納められるレベルに仕上がっていると思います(ゴミの付着が完全にゼロと言う事は有り得ませんので)。

ft869 ちなみに今回の御依頼品の中にあった「シフトノブ」ですが、こちらは取っ手部分には皮が巻かれた状態でそこは剥がす事は出来ませんのでマスキングで対応しています。ただ塗装屋さんなら判ると思いますが、こういった箇所のマスキングは結構厄介です。見切りのラインが皮に埋まってしまっているような感じなんですよね。なので隙間はゼロなのです。

ちょっとした隙間があればそこにマスキングテープを差し込むようにするのがマスキングのセオリーなのですが今回はそれが出来ませんからこういった場合はいつもとはちょっと違ったマスキングテープを使います。業界では有名?な「ボディコンテープ」です(ただのビニールテープと言う噂もありますが・・・苦笑)。

ft8610ボディコンテープの使い方としては「とにかく引っ張って貼る」でして、それによって生じる内周と外周との伸縮率の違いを利用します。上手くいくと(いかなければならないのですが)このようにマスキングがし難い箇所でも比較的綺麗に仕上げる事が出来ます。ただしこれには当然一回目のクリアーは隙間に余り入らないようにとか、マスキングテープは塗り終わった直後に剥がすなどの努力は必要なのですが。

難しかったのは皮を止めている赤い糸部分で、普通は余り気にしなくても塗装となるとこの段差ですら結構嫌な感じだったりします。幸いにしてこの箇所も上手くクリアー出来たと思います。

それでは完成しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!