BMW内装パーツ一式 本塗り

bmw78 こちらもお待たせしました!BMWの内装パーツ一式、無事本塗り完了しております。

bmw79 現状は新品の塗装済み品で、これなら既に下地は出来ていますから足付け処理のみで本塗りが可能です。見た目は最初と変わり無いですが塗装面は#800で研磨されていて、その研磨傷によりその上に塗られる塗装が密着するのです。これが所謂アンカー効果(投錨効果)と言われるもので、これにより特に密着材などを塗らなくても塗装が剥がれなくなるのです。

bmw80 そして本塗り完了です。色はBMWの純正色アルピンホワイトⅢで、ベースコート+クリアーの2コート塗装です。

ちなみに極稀に「白なので安くなりますか?」といった質問がありますが、外資系の塗装(要は外車の塗装)ではソリッドカラーでも今回と同じく「2コート塗装」が基本なので金額は変わりません。シルバーを塗るのも白を塗るのもやり方は同じですので・・・。

bmw81 ただ日本の塗料の場合(要は国産車の塗装)ではソリッドカラーは「1コートソリッド」なる塗装方法で行うのでクリアーは塗らないのが一般的です(もう昔の話かも知れませんが最近はどうなんでしょう)。「クリアーを塗らないでも艶が出るの?」と思いそうですがこれはそれ専用の塗料でして、要はクリアー樹脂に直接顔料を入れたような塗料なのでそれ単体で艶が出ます。勿論硬化剤も入れます。

この1コートソリッドもフルセットで持ってはいるのですが実は余り使う機会がありません。作業効率はこの方が断然良いのですが、例えば「クリスタルクリアー」を御指定された場合はそれが使えませんし(使えない訳では無いですが1コートソリッド用塗料を使う意味がありません)、他の色を一緒に塗れないので場合によっては逆に効率が悪くなるのです。

bmw82また厚塗りをするとワキ易いとか(小さなピンホールが出来ます)、レベリング性能が余り良く無いなど、品質としてはやはりクリアーに劣る所があるので、「コスト重視」よりも「品質重視」としての仕事が多い外車の塗装屋さんでは余り使われないのが一般的です。故に中には「最初から持っていない」と言う塗装屋さんも居たりしますかね。

ちなみにDUPONT社の塗料は樹脂を変えるだけで1コートソリッドも2コート塗装どちらにも対応出来たりするのでこれが結構便利でして、ただ私も使っていましたから判りますがレベリング性能が結構悪いのでクリアーに比べると全然肌が出来難いのです。AFは勿論AKも伸びが足りなく広範囲な塗装には余り使い物にならないので、裏技としてAKバインダーで作った1コートソリッドとクリアー(当時はS696)を1:1で混ぜて使っていたりもしました。隠ぺい力は半分に落ちますがその方が断然使い易かったのです(って専門的な事なのでDUPONTを使う塗装屋さんしか判りませんか・・・謝)。

ちなみにちょっと古い話ですが、日産のステージアの赤に乗ったお客さんが温泉に行った時に「雨が降ったらボディにその跡の染みが出来てしまった!」といった事がありましたが、これは塗膜表面に顔料が直接ある1コートソリッドだから生じたトラブルで、クリアーで覆われていた2コートソリッドであれば起きなかった問題かも知れません。温泉地の硫黄分?か何かが雨に混ざってボディに付着し、それにより顔料が変色してしまったのです。

話は戻りますが、ソリッドカラーが安いという事はそういった理由があるからかも知れません。同じに見える塗膜でも色々ありますのでユーザー側はその辺も考える事が必要かも知れませんね。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!