BMWパニアケース蓋 下準備

bmw143こちらは転倒傷の修理塗装で御依頼頂いておりますBMWのパニアケース蓋で、傷の部分をダブルアクションサンダーで削った時点で色を確認する事にしました(画像はその後です)。

色については車体に貼られたシールより「943」と言うカラーコードは判明していたのですが、その番号からの配合データは見付からず、代わりにそこから判った色名が「Dark Ferro」で、ここから再検索してみて判ったカラーコードが「944」でした。車体が2トーン配色なのでこれで大丈夫かと思ったのですが、実際作って出来た色は残念ながら違う色だったようです(まあそんなものでしょう・・・)。

という事ですが、元々データが無ければこちらにある色見本帳より「近似色」を探そうと思っていたのでそんなにダメージは大きくありません。オーナー様的にも「些細な色違いは気にしませんので」との事なので少し予定は変わりましたがこの中から近い色を選んで塗る事にします。

bmw144ちょっと途中が飛んでしまいましたが、傷の処理はこんな感じで取り除き、続けてプラスチックプライマー→ウレタンサフェーサーとなります。

マスキングが変な感じになっていますが、サフェーサーは部分的に塗るので余計な箇所には飛ばないように、または後に研ぎやすくするようにしています。一般的な補修方法としては部品全体にサフェーサーを塗ったりする事は無く、必要且つ最小限に留める塗り方が基本となります(余計な材料も時間は必要無いといった考えです)。仕事として自動車補修塗装を習った塗装屋さんなら普通の事なのですが、自己流で覚えるとエッジの研ぎ方などで逆に難しくなってしまいますから理解し難いかも知れませんね。「全部塗った方が確実じゃ」はケースバイケースで、もし雇われの身で毎回そんな事をしていたらクビになるかと・・・。

bmw_7 また途中の画像が抜けてしまっていますが実は既に研ぎ作業も完了しています。

2液ウレタンサフェーサーはラッカーサフェーサーとは違って比較的堅さもあるので最初から#800ではまるで歯が立ちません。いつまで経ってもラインは出ませんしそれどころか「肌」さえ残ってしまいます。ちなみに今回は空研ぎ#320→#400のダブルアクションサンダーから始め、その後水研ぎで#600(堅い当て板使用)、最後に#800でペーパー目を均しています。

私の基礎となる「自動車補修塗装」は主に時間工賃での費用算出で、技術的に優れているから多くのお金を取れると言う訳では無くどちらかと言うと「限られた時間内で出来る限りの事を」といった考え方が強くなります。伝統工芸品や芸術品を造っている訳では無いのでこれは当然の事ですね。なので「じっくり丁寧に」と「やり方を知らないで余計な時間を掛けている」を勘違いしないようにしなければなりません。「一子相伝、昔ならがのやり方を現代に」なんて考えは全く当てはまらないのです。常に便利で新しい材料は出ていますので・・・。まあそういうのも含めて塗装は楽しいんですけどね。私的にはとても性に合っていると思います。

最後はサフェーサー意外の所も含め、#800の耐水ペーパーで水研ぎ、その後アシレックスレモン(番手は同じく#800ですが石の当たり方が均一でソフトなのです)で均して下地処理は完了です。こういった場合はスコッチは使わないですね。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きます!