ホンダヴェゼルFRPフロントグリル 本塗り

vezel2 先日サフェーサーの塗装が完了していたホンダヴェゼルの社外品FRP製フロントグリルです。先日と同じ様な作業に見えますがあの時はゲルコートを削っていた作業で、今回はサフェーサーを研いでいます。昔はサフェ研ぎは全て水研ぎで行うのが基本だったのですが、近年はペーパー(の研磨粒子)が進化したので比較的細かい番手でも低コストで空研ぎが可能になったのです。ただかなり粉っぽくなりますからそれは覚悟しないとですけどね。使っている番手は#320→#400→#600(実際はアシレックススカイ#320相当)→#800(アシレックスレモン)で、今回水研ぎは一切していません。

ちなみに塗装の現場では作業方法は作業者に委ねられ特にこれといったマニュアルは無く、ディーラーのような結構沢山人がいる現場でも皆やっている事はバラバラなのが普通です。それだけにやり方を聞いても人によって内容が違うので理解するのが大変で、まあでもそれが塗装の面白いところでもあるのでして。

vezel3 と言う事で、最終の脱脂作業を終えたらブースを回してよくエアーブローをし、いよいよ本塗り開始です。

vezel4 御依頼頂いているのは「半艶の黒」で、ベースコートの黒はいつもの艶有りと変わりは無く、ただクリアーを半艶専用の物にしています。こちらも艶有りクリアー同様ウェットに塗りこむ事でツルっとした半艶(または艶消し)の仕上がりになるようにしていて、例えば塗り方で艶を変えようとするとムラっぽくなったり汚れ易かったり傷付き易くなったりするので私的に宜しく無いと思います(と言っても使う材料で限界がありますからその辺は仕方無いところもあるのでしょうけどね)。

vezel5 そして30分くらいするとこんな感じに徐々に艶が消えていきます。一見乾いている(硬化している)ように見えますがまだベタベタだったりするのでブースは止めないで回したままにします。また当初私は勘違いをしていたのですが、早い段階で熱を入れた方が艶の消え方が安定すると思っていましたが、実際は自然乾燥で徐々に乾かすことで均一な艶具合になるそうです(とマニュアルのどこかに書いてありました。そういう事はちゃんとマニュアルがあるのです)。なので今は実際そうしています。

vezel6さらに30分くらいするとさらに艶が消えて丁度良い半艶になっていました。表面も指触乾燥しているのでここでようやく熱を入れられますが、FRPの場合普通どおりに熱を掛けると内部に残った空洞が膨張してブリスターが発生したりしますので、いつもよりは少し遠めにしてその分長めに熱を掛けるようにします。まあサフェーサーの時点である程度熱を掛けて確認はしていますから取りこぼしが無い限りはここで発生したりはしませんけどね(ただ苦い思いでは何度もあります)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ちくださいませ!