ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース 下準備

viola10 こちらも遂に実作業開始しましたのでご安心下さいませ。ヴァイオリンより大きい弦楽器のヴィオラ・ダ・ガンバ(し、舌を噛みそうな・・・)用のカーボンケースです。

ちなみに付属品を固定しているリベットを外した際にケース内側のウレタンフォームを部分的にカットしていますが、最後にここを塞ぐウレタンシートをようやく現在の物に近い物を見つける事が出来ました。取り付けはリベットでは無くネジ&ナットで固定する予定で、現状の穴よりも大きめにカットして両面テープを貼って取り付けるか、穴に詰め込むような感じにする予定です。穴が密集している所は四角くカットして貼った方がスマートそうですかね。

viola11 そして作業前に裏側を養生しておきます。今回は汚れるのが嫌なので水は使わず全行程空研ぎで行くつもりです。

viola12 ちなみに下地処理を要する箇所は傷部分のみを想定していましたが、やはりと言うか傷が無い箇所でも塗膜の状態は余り良くありません。うーん、何ででしょう。

viola13 傷のある部分を削ってみて判ったのですが、どうやら既存の塗装ではカーボン樹脂の上にラッカーパテを多用している模様です。茶色いのが多分そうで、それ故にあのような痩せたような模様になっていたのだと思われます。日本だと昭和の時代に終わったようなやり方ですが(少なくとも私が塗装屋になってからこういうやり方はやっていません)、まあこの辺は仕方無いですかね。

viola14 と言う事で、当初はサフェーサーは部分的に留める予定でしたが、結局全体的に#180~#240を掛けて全面下地処理を行なう事になりました。まあいつもの通りですね。

viola16 ちなみに今回ちょっと気になっていたのですが、それぞれのカバーの断面は角が立った状態で、これのせいで蓋を閉じる時に塗装が剥がれていた箇所もあったので、今回はここの面を取って極力滑らかに開閉出来るようにしておきます。まあ厚みが1ミリくらいしか無いので意味があるかはどうかは微妙ですけどね。ただやっておけばスッキリしますので。

viola17 と言う訳で素地調整が完了です。傷自体はそんなに無いのですが広範囲に散らばっているので部分的な補修では意味が無く、しかも何でも無いところの素地もあんな感じでしたから結局最後はこんな感じになってしまいますよね。

viola18カーボンは比較的薄く全体的にたわむのでサフェーサーには軟化剤を入れて塗膜を割れないようにしておきます。と言うか軟化剤を入れなくてもサフェーサーが割れるくらいなら先にカーボンが割れますから、今更ながらこれが無意味だと言う事に気付きました・・・。まあ入れて悪いことは無いのでその点はご安心下さい。

とりあえずこの状態で数日寝かし、他に何か熱を入れる時にこれも一緒に当てておく予定です。その後はサフェ研ぎですが、その前に一度各付属品を仮組みしてみようかと思います。新たに入手したネジは長過ぎるのでカットしないといけないんですよね。ただ素材が真鍮なのでそんなに大変では無いと思います。もう少々お待ち下さいませ!