NISSAN S20ヘッドカバー塗装承ってます

s2021少し前に到着しておりました日産スカイラインGT-R(KPGC10)のS20ヘッドカバーです。この度もご贔屓頂き有難う御座います!

現在のPRO_Fitでは殆どが個人の方からのご依頼ですが、こういった専門的な物に限っては決まった業者さんとのお付き合いがあったりします。今回は掲載する予定は無かったのですが、元請様にご承諾頂きましたので紹介させて頂きます。

ただ今回はいつもの結晶塗装では無く、「艶々仕様」で承っております。以前も何度か施工ご依頼頂いていますのでその時の完成画像を紹介させて頂きますね。

s202 フェラーリのロッソコルサよりも若干濃い赤で塗っています。

s20こちらは普通の黒です。

凸部は予め面研して光らせておき、ベースコートはそのまま塗って、クリアーを塗る前にもう一度面研して光らせ、密着剤を塗った上でクリアーを塗っています。

ちなみに単に塗っているだけでは無く、全て「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程を行っていて、特にサフェーサーの研ぎはこんな形ですから有り得ない程大変です。

s2022 今回はボルト穴の一部に補修の痕が見られたので、そこの修正も承っています。

s2023 その後、アルカリ洗浄~溶剤槽浸け置きで旧塗膜を剥がしてみると、下からパテが出て来ました。シンナーで剥がれてしまっているのでポリパテですね。

s2024 パテを削ってみると割れた箇所はしっかりとアルミ溶接で補修されていたので、素地を多少修正し、その後エポキシ接着材を裏と表、シーリングが入る隙間にも塗っておきました。使ったのは構造用接着剤の3Mパネルボンドで、内側は念の為ファイバーも埋め込んでおきました。

この後80℃くらいで硬化させ、表側はペーパーで削ってラインを整えておきます。

s2025 リン酸処理を行い、良く洗浄して乾かした後、各部をマスキングします。

s2026プライマーを塗布し、続けて2液のウレタンサフェーサーを塗布します。この型のヘッドカバーは鋳造品にしては素地がツルンとして綺麗な方ですが、やはり傷やら粗はあるので下塗り(プライマー)だけでは綺麗に仕上がりませんから、中塗り(サフェーサー)の塗装も必要なのです。

ただしそうなるとサフェによる塗り肌の凹凸も出来てしまいますので、その後は#320→#400→#600→#800といった研ぎ工程が必要となり、この複雑な形を、しかもペーパーの角を立てない様に注意して研ぐ必要があります。とても大変な作業なので何とかしてここを省略したいとは考えるのですが、この工程を省くとシャープさに欠けた仕上がりになってしまうので、どうしても研ぎの工程は必要なんですよね。

と言う事で、また作業進行次第改めて紹介させて頂きます。いつもご贔屓頂き有難う御座います!