いつもの業者様からご依頼を頂いておりました日産スカイラインGT-R(KPGC10)のS20ヘッドカバーです。かなり時間が掛かりましたが本日ようやく完成~発送となりました。掲載のご承諾頂きましたので紹介させて頂きます。
状態としては塗装の剥がれなどは無かったのですが、どうも結晶目が細か過ぎる為か少々地味な仕上がりです。
色については事前に色見本帳をお送りしていて、今回は結晶塗装では無くこちらのホンダブラックアメジストパール(カラーコード:RP37P)の艶々仕様で承りました。
その後リン酸を使って被塗面に化成処理を施し、よく洗浄したらマスキングをします。
続けてサフェーサーを塗布し、一旦ここで熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。
ヘッドカバーのような鋳造製品は一見綺麗に見えても素地が粗く、それらを平滑にする為にサフェーサーを充填して研磨して下地を作ります。ただしヘッドカバー表面は造形が複雑でとても研ぎ難く、また完全硬化した2液ウレタンサフェーサーは簡単には削れませんので、最初は#320から始め、#400→#600→#800といった順番で研ぎ付けます。
ここで一旦アルミ素地を露出させる凸部の面研をある程度まで終わらせておきます。
その後サフェーサーのペーパー目を均す為、#600→#800で水研ぎを行います。
ちなみに結晶塗装であればその特性からしてこういった下地処理をしなくても製品の粗を目立たなくする事が出来ます。
また単に艶が出るだけで良ければサフェーサーの塗装も必要無く、ただし素地の粗はそのまま残り、艶が出るとむしろそれが目立って非常に気持ちの悪い仕上がりになります。
サフェ研ぎの際に素地のアルミが露出した個所もあるので、再度全体に薄くプライマーを塗布します。
続けてベースコートの黒を塗ります。これは下塗りとしての役目と下地の粗探しとしての為で、これによってペーパー研ぎスジなどが露呈した箇所を再度研いで修正しています。
フィンの部分に貼ってあったマスキングテープを剥がし、凸部の最終仕上げです。
凸部を#240→#320→#400で研磨し、最終#800で仕上げて光らせます。
アルミ素地が露出した個所に密着剤を塗布し、クリアーを塗って本塗り完了です。