ポルシェ964ブレンボキャリパー 本塗り

先日お預かりしておりましたポルシェ964のブレンボブレーキキャリパーです。

キャリパーの下地処理はブレーキ専門の方に委託している為、タイミングが良ければ比較的早めに本塗りが可能です。ただしブレーキ屋さんが海外にキャリパーを買い付けに行ったりする事もあるので、タイミングが悪いとかなり長くなってしまう事もあります。この辺りの事はどうかご了承下さいませ。

 ちなみに今回のキャリパーですが、ブレーキ屋さんに預けた後に「リヤキャリパーの片方にある筈の部品が付いていないよ!」との事で連絡を頂きまして、ちょっと判り難いのですが、右のキャリパーが付いているプレートが左に付いていないのです。

無かったのはこの部品で、既に廃盤との事でしたが、幸いにしてブレーキ屋さんが対応してくれました。

 使ったのは別のポルシェ用キャリパーの部品のようで、

形を成型し直してカットし、

 新たに作って頂きました。うーん、さすがです。

 その後出来上がって届いたのがこちらで、言われなければ最初からこういう部品だったとしか思えないくらいに出来ています。

 キャリパーも洗浄とサンドブラストを完了して一緒に戻って来ました。尚、先ほどのプレートが付いている物はネジの腐食が酷くて外せなく、それらに関してはマスキングで対応しています。比較的良くある事ですのでご安心下さいませ。

 今回は全体に打痕も多く、全てではありませんがある程度研磨して取り除いておきました。

 再度脱脂清掃し、本塗り準備完了です。

ちなみにブレーキパイプが茶色いのは錆では無く素材の色で、近年のこれは鉄製ですが、この時代は銅が使われていたとの事でこういった色になっています。

 リヤキャリパーも打痕が酷かったのですが、こちらは形状的に結構削り易かった為、目立つ前面は比較的綺麗になったと思います。

 まずはプライマーを塗り、

 1コート目の黒を塗った時点で車体とボルト固定部分をマスキングします。通常はそこだけ黒を塗りますが、今回はキャリパー本体の色が黒なので全体に塗っています。

 その後ベースコートの黒を乾燥させてテープフリーな状態になったら、予め用意しておいたマスキングシートを貼付け、さらにキャリパー全体を養生します。

 ロゴの色は白で、フォントは古いタイプでは無く近年の物を採用しています。

 再び塗装ブースにセットして

 クリアーを塗って本塗り完了です。

この後熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、部品を組み付けたら完成です。どうぞもう少々お待ちくださいませ!