Alain Mikli

 アランミクリのメガネフレームです。

 既に当店にて紫系のメタリックに塗装された状態ですが、その後使う機会が無かったとの事で新たな色に塗装をご依頼頂きました。尚、こちらのオーナー様からは同じモデルのフレームを合計5本くらいご依頼頂いています。

 このアランミクリのフレームは蝶番の部分が特殊で、どうやっても分解の方法が判らなかった為、今までの塗装は全てマスキングで、フロントとテンプルをそれぞれ別けて本塗りを行っています。

 今回ご依頼を頂いたのがこちらの配色で、

 ブルーはVWのシャドーメタリックを、

 赤はキャンディーレッド、白はVWキャンディーホワイトを使用します。

 塗装した塗膜は問題無いのでそのまま足付け処理のみを行い、

 ペーパーの当て難い鼻当て周りのみサンドブラスト処理を行います。

 金属素地が露出した状態です。

 良く脱脂清掃し、

 プライマーを塗布します。

 足付け処理をし、まずはフロントのみ本塗りを行うようマスキングを行います。

良く脱脂清掃をし、

まずは下色のシルバーを塗布します。

イメージイラストで塗装する範囲を確認しながらブルーメタリックを塗布します。

続けて透過性の赤=キャンディーレッドを塗布します。

そしてクリアーを塗ってまずはフロントの本塗りが完了です。

この後60℃40分ほどの熱を掛けて完全硬化させます。

そして次はテンプルです。

蝶番部分はマスキングし、最初に塗装したキャンディーレッド部分は、次に行う本塗り時に色を見ながら塗れるようにしておきます。

そしてテンプル部の本塗り開始です。まずは白(VWキャンディホワイト)を塗布します。

続けて、イメージイラストを確認しながらブルーメタリックを塗ります。また左右の塗り位置がピッタリ揃うようにしておきます。

そしてシルバーを塗り、

キャンディーレッドを塗布します。

塗り回数でキャンディーレッドの色味を合わせ、さらに左右でグラデーションの位置を揃えたら、最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

最初に塗ったキャンディーレッドとの色味は、違和感無く出来たと思います。

その後60℃40分程の熱を掛け、さらに数日寝かしたら完成となります。

グラデーションの境目は、顔料の粒子感が判らないよう余計なミストを飛ばさないようにして仕上げています。

蝶番周りの仕上がりも、マスキングで塗ったとは判らないように仕上がっているかと思います。このフレームを塗る前にご依頼頂いた時の画像もありましたので、続けてそちらも紹介をさせて頂きます。

 こちらはイエローのパールとグリーンメタリックの組み合わせで塗装しています。

 こちらも蝶番は分解出来なかったのでこのままの状態でテンプルとフロントを二回に分けて塗装しています。

塗り分け箇所は、塗装屋さんが見てもマスキングで塗ったとは判らないような仕上がりに出来てるかと思います。