“alain mikli” Eyeglasses

alain2こちらでは紹介していませんでしたが少し前に御依頼頂いていたアランミクリのセルフレームです。どうしても黒が欲しかったとの事なのですが手に入らなかったので今回の御依頼に至りました。レンズは入っていますが恐らくまだ未使用の状態でした。

alain3セルフレームメガネの塗装において一番厄介なのは最後にレンズを入れる事で、元々無理やりレンズを嵌め込むような装着の仕方ですから普通に入れようとすると必ず塗装を剥がしてしまいます。実際私も何度も苦い思いをしまして、それ故に多分どこの塗装屋さんもメガネ屋さんもやっていないのだと思います。

ちなみに無保証で宜しければこれの取り付けをサービスで行っていまして、ただ無保証と言う事は、取り付け時に塗装が剥がれたりレンズが割れたりフレームが折れたりしても一切の責任が負えないと言う事ですので(破損したまま返却すると言う事です)、その点をご理解の上でしかお受付はしていません。もし少しでもご懸念される事があれば当店には御依頼されないようにして下さい。

alain4 下地処理から塗装の方法、使う材料は自動車補修の内容と全く同じで、強度についてもそれと同じ様に考えて頂ければと思います。ですので塗装自体はお近くの自動車板金塗装店で普通に出来る筈です。ただ受けてくれるかどうかは判りませんが・・・。

alain5 使っている塗料は2液のアクリルポリウレタン系の物で、完全硬化はしたとしても直接肌に触れる物ですからアレルギー等ご懸念される場合は塗装はやめておいた方が宜しいかと思います。それについての保証なども一切お受付はしておりませんのでご注意くださいませ(ただしそういった報告は一度もありません)。

alain6 レンズは予め「入れられるギリギリのサイズ」に削って加工していて、またレンズとフレームが接触する箇所の塗膜が厚いとそれだけ剥がれる可能性が高いのでその部分は極力塗膜が薄くなるようにしています。ただしかといって肌がザラザラとしたり艶が無かったりと言う訳ではありません。

alain7 2液性アクリルポリウレタン樹脂塗料は軟化剤などを添加する事で塗膜を柔らかくしたりする事も出来ます。またクリアーの種類にも色々とあり、普段よく触れる物であれば耐擦り傷性や耐UV性、耐薬品性の高い高品位なクリアー(現在はSTANDOX クリスタルクリアー)などに変更する事をお勧め致します。

alain9 レンズを削っているとしてもそのまま簡単に入れられると言う訳では無く、装着する時には洗剤を使って塗膜が滑り込むようにさせ、あとは力いっぱいレンズを曲げて差し込むようにして溝に挿し込むように入れます。レンズを加工している時点で50~100回くらい脱着していますから大体のコツは掴めていますがそれでもかなり緊張します。尚、レンズが分厚くて小さい場合はしなりが無いので難しいかも知れません。

alain10 蝶番の分解は簡単ですが蝶番自体を取る事は出来ないのでこの辺はフルマスキングで対応しますが、極力塗ったとは判らないように仕上げるようにしています。

alain11 商売として考えると実は割りには合わない所もあるのですが(なのでどこもやっていないのだと思います)、出来る事だけをやっていると自分が劣化してしまうような気がするので、多少なりリスクがあるような事も必要だと思っています。ただ先日塗らせて頂いたタブレット端末のSurface3はさすがに一歩間違えれば廃棄物なのでちょっと危険だったかも知れません(無事完成してオーナー様にはお喜び頂きました)。

alain13 この時の御依頼は「お任せコース」なので磨きはしていません。所謂塗りっ放しです。

alain14本当は色々な塗るのではなく、「テールランプの塗装専門」とか「自転車フレーム専門」といった感じで一つの物に特化してしまった方が利益率は高いのですが(しかも楽かと・・・)、今はとにかく何でも経験しておいて、いずれ徐々にフェードアウト(笑)して対象を絞っていこうと思っています。