Interior Parts LCD Monitor

30年近く前の世界初車載液晶テレビモニターのパーツ一式をご指定の色に塗装しました。

 こちらが最初の状態です。

 当店にご依頼頂く前に「この素材は出来ない!!」とお断りされたとの事ですが、樹脂素材はABS製のようですので、自動車補修用の塗料であれば問題はありません。

 ただネックなのは外せない(外すと壊れる可能性が高い)付属品がある事で、それらに関してはマスキングで対応するしかなく、そういった点で仕上がりが劣ってしまう事に関しては事前にご了承を頂きました。

 マスキングが必要な各部品やシートにはそれぞれオーナー様が予めマスキングをして判るようにして頂いています。

色は参考としてこちらの内装部品を一緒にお預かりしていますので、今回はこの色に合わせて塗装を行います。

  またモニターパネル側面にある電源ボタンのロゴの再現も承っております。

さらにそれとは別にリモコンボタンの塗装も承っています。下のボタンのロゴを上のロゴに変更します。

 まずは色を作ります。一応基となる色を見本帳から選びだし、

 配合データから色を作成して微調整を行い、

 色板に塗装して色味を確認します。

 ロゴは基に似たフォントを探し出してサイズを調整し、

実際にプリントアウトして微調整を行います。

各文字は塗装では無くデカールで行います。

デカールについては以下の記事が判り易いかと思いますので宜しければご参照下さいませ。

1/43ポルシェミニカー用 デカール作成

 作業前の準備が整ったら被塗物の下地処理を行います。今回は素地のシボ模様を活かした(残した)仕上げとしますので、ナイロンブラシとシリコンオフを使って細部を清掃し、全体を#1300程度で軽く研磨します。

 その後よくクリーニングし、マスキング作業を行います。被塗面は既に表面処理が行われた状態なので極力素手では触れないようにします。

 各シールはそれぞれサイズを計り、

 データを作製してカッティングロッタ―で丁度良いサイズのマスキングシートを作成して貼り付けます。

 下処理が終わったら台にセットして本塗り開始です。

各パーツを良く脱脂清掃します。

 まずはプラスチックプライマーを塗布し、

ベースコート(色)を塗り、見本と色が合っているかを確認します。

リモコンスイッチは文字を新たに入れ直すので、まずは黒で塗りつぶします。

 その後場所を変えてデカールの貼り付け作業を行います。

 ロゴの位置は透明フィルムで予め型を作製しておいたので、

 それに合わせて貼り付けます。

 同じようにリモコンボタンにもデカールを貼り付けます。

デカールを貼り終えたら十分に乾燥させます。

 そして最後に艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。

 元のシボ模様を埋めないよう、クリアーを塗り過ぎないように注意します。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、

さらに数日寝かしたら完成となります。

元々あった抉ったような跡は、シボ模様を消さないようにしつつパテで修正しておきました。

 真ん中の部品は色の見本としてお預かりした部品です。

 こちらは新たにロゴを入れ直して塗装したリモコンボタンです。

その後オーナー様から画像とコメントを頂戴しました。

先月仕上げていただいた、液晶テレビのパネル一式になります。元色グレー⇒ベージュに塗り直していただきました。塗り直したとはわからないほどの出来映えで嬉しく思います。実はプロフィット様に依頼する前に、別の業者にお願いしようとしたのですが、この素材は出来ない!!と断られました。が、プロフィット様にお願いしたら何事もなかった様に引き受けていただけて助かりました。作業掲載時は一式バラしての作業だったので完成したものを組み付けていくのがとても楽しかったです。軍手をはめ細心の注意を払いながら車両に取り付け、完成した姿を見ると塗料の色見も完璧で車内ととても馴染んでいます。今回はこの様な非常に貴重な代物を完璧な仕事で作業していただいた、プロフィット様には大変感謝しております。

との事です。こちらこそこの度は当店をご利用頂きまして誠に有難う御座いました!