先日メッキ素地の下地処理~サフェ入れを行っていたBMW MINI F54ミニクラブマン純正のフロントグリルメッキ枠と、ヘッドライトメッキリム(リング)左右です。
その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとして黒のベースコートをドライコートでパラパラと塗っておきました。
画像は軽く水研ぎをした状態で、下地に塗ったプライマーとその後のサフェーサーの肌が凸凹になっているのが判るかと思います。
ラッカーサフェーのように柔らかければそのまま手研ぎでも良いのですが、2液のウレタンサフェだとこの肌が残ってにウネウネとした仕上りになってしまうので、最初は当て板を使ってしっかり肌目を落としておきます。
ただし当て板を使って研ぐと、曲面のラインはポリゴンみたいにカクカクになってしまいますから、最後はペーパーのコシを使っての手研ぎで研ぎ付けます。番手は#600→#800が普通ですが、今回のように丸みのあるラインは「面」では無く「角」に当たり易いので、下地が出ないよう#800のみで行っています。
ただし#800の耐水ペーパーだけだと傷が深すぎるので、最後は当たりの柔らかい布状研磨副資材(アシレックスレモン)を使ってペーパー目を均します。耐水ペーパーのような強いコシが無いので、段差がついた個所なども下地を出さずに削る事が出来ます。
水を使わない空研ぎでも出来ますが、コスト高だったり粉っぽくなったりするデメリットもあるので、この辺はケースバイケースでやり方を変えられます。
その後よく洗浄し、台にセットします。研ぎ汁が残ると厄介なのでマスキングも全てやり直しておきます。
自動車の車体を塗っていた頃は台の上に直置きで塗っていましたが、小物塗装専門になってからはフチから裏側までしっかり塗れるこの固定方法になりました。部品が車体に装着された状態なら裏側は見えませんが、部品単体でお渡しする今のスタイルだと裏側までしっかり見られてしまうので、見えない所にまで気を遣うようになりました。普通は経験を重ねる毎に仕事が楽になると思うのですが、うちの場合はまるで逆です(苦)。
フロントグリルのメッキ枠は、それに合わせてベニヤ板などをネジ止めして台を作製しています。ちょっと重いですが、こちらも持って塗れるようにしています。
先日施工したインプレッサのシフトカバーのフチもこれと同じベースコートの黒ですが、艶具合が全然違うのが判ると思います。しっかりウェットで塗り込むと半艶のようになります。
クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。
内側と外側の側面もしっかり塗らないと綺麗に仕上がらないので、面積の割には結構面倒な形をしています。
こういった形状は今まで段ボールをカットして使っていましたが、以前自作した長ワニクリップが活躍してくれています。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!