スターバックスタンブラー 本塗り

 先日お預りしておりましたスターバックスのサクラタンブラーです。

作業前の準備として、取っ手を取り付け、蓋周りと底部分をマスキングします。

元々ある花柄は、既存の塗膜の上に模様がプリントされていて、その上には何もコーティングがされていない為、いつも通りに足付け処理(所謂ペーパー掛け)を行うとこれが擦れて剥がれてしまいますから、まずはそれを避けつつ、既存の白い塗膜部分のみに#1300相当の布状研磨副資材(アシレックスオレンジ)を使って軽く空研ぎします。

 その後スコッチとウォッシュコンパウンド(液体研磨剤)を使い、全体を軽く擦ります。

 当たりが弱すぎると最初の状態と同じく水を弾いてしまいますが、表面に細かい傷が付いてくると水が馴染んで親水性となります。強く擦り過ぎると模様が削れてしまうので、途中何度も水で流しながら力加減を調整して行います。

ちなみにこれを非接触で行うのがガスプライマーを使った火炎処理で、ただし今回の場合はプリントが燃えてしまう(恐)と言う可能性もある為、以前行った通りの方法としています。

ガスプライマーについては、以下のPA(ポリアミド=ナイロン)製のフューエルキャップ塗装の施工例が判り易いかと思います。宜しければご参照下さいませ。

Mazda Diesel Fuel Cap

 よく脱脂清掃し、台にセットします。

 いつもに比べるとどうしても足付け処理が弱いところもありますから、今回は密着剤も併用します。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。

 今回のタンブラーは以前既に施工例がある物なので大丈夫な事が判っていましたが、製品によってはクリアーの溶剤によって侵されてプリントが剥がれたり、滲んだり、溶けてしまったりする事がある為、基本的にはお受付しておりません。

よくあるお問い合わせとしては、「著名な方に書いて貰ったサインが消えないよう、上からクリアーを塗って欲しい」と言うご相談がありますが、得体の知れない物の上に溶剤(クリアー)を塗ったらどうなるかは全く予想が出来ませんので、お受付は出来ません。「どうなっても構わないから」と言われても、グチャグチャになった物をその状態のままお返しして、さらに塗装費用まで頂くと言うのはお互い気分の良い事ではありませんので、何卒ご容赦頂ければと思います。

この後は一晩以上以前乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!