ホンダフリードピラーカバー 本塗り

先日サフェーサーを塗っておいたホンダフリードの純正ピラーカバーです。

その後60°40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、表面には研ぎ忘れ防止の為にベースコートの黒をパラパラと塗ってあります。

 最初は#600と砥石を使って平滑に研ぎ、その後#800とスポンジパッドで深いペーパー目を消し、念のため#1000でも水研ぎをし、最後に研磨粒子が均一な#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で均します。

 よく清掃し、台にセットしたら最終脱脂を行います。

 裏側には多少プラスチック素地の部分があったので、そこだけプラスチックプライマーを塗り、その後は全体にベースコートを塗布します。色はボディ同色のホンダ純正色「MODERN STEEL」(カラーコード:NH797M)となります。色名はもしかしたら日本仕様とは違うかも知れませんが、カラーコードが同じなら色名が違っても同じ色ですのでご安心くださいませ。

 一般的にはベースコートよりもクリアーの方が難しそうですが、実際には車の塗装屋さんはベースコートに多くの気を使います。ここでスプレーガンやシンナーの選択、塗り方を間違えると肌が荒れてしまい、延々メタリックのムラの取れないままとなってしまいます。肌が荒れればその後に塗ったクリアーにもそのまま影響され、艶が引けたような仕上がりとなります。基本はウェットに塗り込み、長く時間を掛けながら乾燥させて行くような塗り方となります(その点で水性塗料はこれが楽みたいで、ただこれからの乾燥した季節には加湿が必要になるみたいですね)。

十分に乾燥させたら最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 クリアは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。

ベースコートが平滑に塗れていれば、この後クリアーに熱を掛けた後でも(ほとんど)このままの艶が保持されるので、ゴミが着いていなければ磨き作業は無しで完成となります。すぐに熱を掛けるとクリアー中の溶剤が早く出ていこうとして表面を荒らしてしまう(艶が引けてしまう)ので、このまま一晩自然乾燥させてから後日熱を掛けるようにしています。「気のせい」と思えるくらいのレベルですが、塗装はそういった細かい事を積み重ねてようやく一つの物に仕上がるので、意外と馬鹿には出来ません。トラブルが起きた時も何が原因かは判らない事が多いので、そうならない為に怪しいと思う事は虱潰しにしています。

先日業者様から届いたヘッドカバーを工場内で開けたところ、どこかで嗅いだような臭いがすると思ったら、どうやらサンドブラストを掛けた後に腐食(酸化)防止の為にシリコーンスプレー(油)をたっぷり塗られていたようで、直ぐにコンプレッサーの電源を落とし(配管に吸い込むと工場が終わるので)、部品は洗浄槽に入れ、着ていた服は全部着替えて洗濯しました。塗装は気を使い過ぎて悪いという事は無いのですが、そのお陰で時間がいくらあっても足りなくなってしまいました・・・。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!