ホンダインサイト 内装パーツ 本塗り

 先日サーフェサーを塗っておいたホンダインサイトのウインドウスイッチパネル一式です。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

 最初は固い当て板(木片)と#320の空研ぎでライン出しを行います。

ガイドコートが残る箇所が低い部分で、こういった場所は裏側を見るとクリップなどを固定する柱があり、いわゆる成型時のヒケによって表側にその影響が出ているのが判ります。体積が大きい分、冷えた時の収縮率が大きく、表側を凹ませてしまう訳です。そしてそれが判らなくなるよう、表面を梨地にしています。

 全体を低いラインまで研ぎだし、その後#400→布状研磨副資材(アシレックススカイ)でラインを均します。

 さらに再びガイドコートを行い、

 次は#600→#800で水研ぎをし、最後は布状研磨副資材(アシレックスレモン)でペーパー目を均します。

 よく清掃し、マスキングを貼り直して台にセットします。

 最終脱脂を行い、本塗り開始です。まずはプラスチック素地が露出している箇所(主に爪部分)にプラスチックプライマーを塗布します。

 そしてベースコートの黒を塗ります。

黒はSTANDOX原色の黒(MIX571)そのままで、これを「ウェットコート→フラッシュオフタイム=コート間の乾燥(15分くらい)」を3~4回繰り返し、1~2時間くらい掛けて行います。

 ベースコートをウェットで塗ると「ゴミが付きやすい」(埋まって表面張力で突起になる)、下地を侵して「チヂレを起こしやすい」、「いつまで経っても乾かない」というデメリット(実はそうでは無いのですが)がありますが、ドライコートで塗ってここで肌を荒らしてしまうと、その上に塗るクリアーをいくら艶々にしても硬化後に艶が消えて(引けて)しまい、とても残念な仕上がりになるので、ウェットコートが基本となります。

またドライコートを重ねると密着性が悪くなり、塗膜自体の強度も落ちてしまうのでNGです。

 ベースコートをしっかり乾燥させたら、最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

冬場はクリアーの粘度が高くなって塗りにくいので、塗装前にはあらかじめ温めてから塗るようにしています。

車の補修塗装と違って小物塗装の場合は「新車肌の再現」は必要ないので、とにかくレベリングが良くなるようシンナーの揮発速度を遅くし、ガン距離も近めにしてテロンとなる肌に仕上げています(ただし「デロデロ」とは違います)。

この後は一晩自然乾燥させて塗膜中の溶剤をゆっくり揮発させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。もう少々お待ちくださいませ!