ホンダストリーム内装パーツ19点 本塗り

 先日下準備を行っておいたホンダストリーム用の内装カバーパーツ19点です。

 全て片手で持って塗れるようボール紙の芯棒を固定し、台に挿せるようにしています。

 置いて塗るとフチの塗装が甘くなり、いざ取り付けてみると「色が入っていない!」(透けている)と言う事があるので、360度満遍なく塗れるようにしています。

 芯棒用のスチール台(新装開店などで花を飾る台)が足りないので、普段は保管時用として使っている自作の台も動員しています。100円ショップで売っているMDF板で作った物ですが、非常に使えています。

 フチまでしっかり足付け処理を行っています。

 素地が露出した箇所もあるので、まずはプラスチックプライマーを塗布します。

 そしてベースコートを塗ります。

 まずは青系の適当な色(余った塗料)を下色として1コート塗り、その後ご指定を頂いているスバル純正色「WRブルーマイカ」(カラーナンバー 02C )を2~3コート塗っています。

 ベースコートの肝はドライコートにならないようにする事で、塗り方もそうですが、その日の気温に合わせて希釈用のシンナーを選択します。

 ベースコート時でもゴミの付着には注意をしていますが、それでも着いた場合は、よく乾燥させてからペーパーで削ったりタッククロスで擦ったりして取り除きます。

 揮発が遅いタイプのシンナーに変え、さらにウェットコートで塗ると、ぱっと見は乾いているように見えても内部に溶剤が残っている場合があるので、ベースコートは追っかけて塗るような事はえず、1コート毎に十分な乾燥時間(フラッシュオフタイム)を設けて塗り重ねていきます。実はクリアー塗装よりこっちの方が時間が掛かっていたります(そして気も遣います)。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。大変お待たせしました!

 製品自体の歪は仕方無いですが、元々塗られていたデロデロ肌は払拭出来たと思います。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなります。

 クリアーに使う硬化剤・シンナーもそれぞれ気温や塗装面積によって使い分けます。遅くし過ぎると垂れてしまい、早くし過ぎると肌が荒れます。

 また肌を無くすような塗り方をする場合、クリアーの表面に極小さいピンホールが発生する事がありますが(ワキ)、それはガン距離が遠すぎるからで、これの対策としてはスプレーガンと被塗面までの距離を5cmくらいまで近づければ解消出来ます(ただリスクが高いのでお勧めはしません)。

自動車ボディの肌(新車肌)とは違い、小物を塗装する場合は極力テロテロに塗るようにしています(デロデロとは違います)。

時々「鏡面仕上げ」といった言葉を聞きますが、塗装ではどうしても肌が残るので鏡のような完全なフラットには仕上がりません。誤解を招くので私的にそういった言葉は使わないようにしています。

他に似たような事では「ピアノブラック」といった言葉もありますが、ピアノの黒い塗装が特別艶があって漆黒と言う事でもありませんので、これも私的には殆ど使いません。

さらに塗装の現場では「焼く」といった言葉もよく使いますが、実際に焼き付け塗装を行っている訳では無く、そもそも自動車ボディの塗装に使うアクリルポリウレタン塗料は、熱を掛けてもせいぜい80℃くらいです。

インターネットが普及した今なら簡単に調べられる事でも、昔は働いている会社の中だけが世界の全てみたいなところがありましたから、周り(親方)が焼く焼く言っているとつい変な覚え方をしてしまうんですよね(勿論私経験済みです)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!