先日サーフェサーを塗っておいたBNR32、RB26エンジンのタイミングベルトカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとして黒のベースコートをパラパラと塗っておきました。
まずは#320 と当て板を使って空研ぎをし、大まかなライン出しを行います。
この時点で文字の周りはそのままで、次の水研ぎで細部を整えます。
再び全体にガイドコートを行い、#600~#800の水研ぎで細かいラインを整えます。
どんなにペーパーが入り難い所もしっかり当て板を使って研ぎます。当て板には厚さ2~3ミリのアクリル片を使っています。
よく乾かし、裏側に艶消し黒を塗っておきます。表側にも多少飛びますが、ここで使っている黒もスタンドックスのベースコートなので問題ありません。
アルミ素地が露出した箇所にはスポットでプライマーを塗布しておきます。
下色として、全体に白=VW社のキャンディホワイトを塗ります。調色をした時と同じ仕様となります。
凸文字部は最後に削った時に断面から白が出るのを避ける為、一旦ここでも凸部天面を研磨しておきます。番手は#120です。
今回のオレンジは、STANDOXの原色よりも彩度が高いという事で2コートの塗装では物理的に不可能となり、下色の白を透かした変則的なキャンディーカラーとなっています。VWの新車塗装のような感じですね。
塗料が入り難い部分は色(橙)が薄くなってしまうので、周りをマスキングしてピンポイントで塗っておきます(そうしないと穴の周りのオレンジが濃くなってしまうからです)。
オレンジのベースカラーは、透明な樹脂(MIX599)で塗料中の顔料含有量を少なくし、その代わりコート数を多くする事で塗りムラを防いでいます。
問題が無ければ、ここで一旦昼休憩にします。ベースコートは7コートくらいと厚膜になるのでハードナー(硬化剤)を入れていて、ここで熱を入れるとこの後のクリアーとの密着が悪くなりますから、自然乾燥で2時間くらいしっかり寝かします。
以前、某自動車メーカーの内製工場で働いている友人から、「タカハタさん~!僕が塗った車、クリアーだけが後で剥がるんですけど何でですかね?」といった質問があって、詳しく聞いてみるとどうやらベースコートを塗り終わった時点でガツンと熱を掛けてからクリアーを塗っていたそうです。ベースコートが完全硬化してしまうとその上に重ねたクリアーが密着しない(反応しない)事になるので、後で層間剥離を起こしてしまうんですよね。
その後、凸文字部を研磨します。#120から始めて順番に番手を上げていき、最終#800でアルミ素地を光らせます。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。その後最初に剥がしておいたシーラーを元の位置に接着しておきます。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!