トルネオユーロR ヘッドカバー 本塗り

先日お預かりしておりましたホンダH22A型アコードユーロRのヘッドカバーです。

その後アルカリ溶剤槽に浸け置きをして油分を洗い流し、

よく乾燥させた後、今度は溶剤槽に浸け置きをして旧塗膜を剥がしておきました。

その後よく洗浄し、しっかり乾燥させておきます。単品での作業だとどうしても採算が合わない所がありますので、この辺は他のご依頼品と並行して作業を行っています。

さらにその後、リン酸処理を行い、再び洗浄して乾かした後、マスキングをして本塗り準備完了です。プラグキャップ取り付け部はアルミ素地が綺麗だったのでそのまま残すことにしました。

まずは全体にプライマーを塗布します。

ボルト取り付け部にベースコートの黒を塗ります。

ホースパイプ部はそのまま残そうと(マスキングをしようと)思っていたのですが、メッキが劣化していたのでこちらもプライマーを塗っておきました。またこちらは黒では無くシルバーを塗っています。

黒とシルバーを塗った箇所が乾いたらマスキングを行い、

結晶塗装用の塗料(リンター)を塗布します。元々塗られていた赤は鮮やかでは無く、日産系のどす黒い感じだったので、赤に黒を足した色を使用しています。

その後140℃~170℃くらいの熱を掛けて焼き付けます。左は業者様からのご依頼品で、同じ赤ですがこちらはマセラッティのパーツなのでイタリアンな感じの鮮やかな赤となります。

100℃くらいから結晶目が現れ、その後120℃に達してからさらに30分~40分くらい熱を掛けて続けると塗膜が硬化します(熱重合)。

一緒に塗ったマセラティのヘッドカバーと比べてみると、同じ赤でも全然違うのが判ると思います。

色は単色で見ても判り難く、何かしらの見本を参考にした比色を行う事が重要だと考えています。

この後は恒温機でもう一度120℃30分くらいの熱を掛けて二度焼きを行い、その後凸文字部を研磨してアルミ地を光らせ、最後にクリアーを筆で塗っておきます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!