先日下準備を行っておいたトヨタMR2 SW20のエンジンヘッドカバーと、
タイミングベルトカバーです。こちらの素材は樹脂なのでプラスチックプライマーを塗布します。
ヘッドカバーはアルミなのでそれ用のプライマーを塗ります。
またタイミングベルトカバーは、ボルト取り付け部に圧入されたスチールスペーサーもサンドブラストを当ててメッキを剥がしてしまっているので、その部分にプライマーを塗っておきます。
結晶塗装を塗りたくない箇所にベースコートの黒を塗布します。ホース取り付けパイプ部と、プラグホール内側部分ですね。
よく乾かしたらマスキングをします。
マスキングをする方法は色々ありますが、今回はサランラップの芯が丁度良かったので、それをバンドソーで1㎝程の長さにカットし、マスキングテープを貼って厚みを微調整してピッタリ嵌め込んでいます。
色は「アウディのクワンタムグレーの様な」と承っていますので、
いつものSTANDOXでは無く、RMのColorExplorerなるアプリからカラーマスター(色見本)の番号を探し出し、
それを色見本帳から抜き出します。
当店ではRM社の塗料は使っていませんが、このカラーマスターなる色見本帳のシステムが結構便利なので導入しています。近年は測色機(画像手前にある機械)なる機械が登場しましたが、それ以前ではこの独特な調色システムが中々便利だったのと、今回のような場合に重宝するんですよね。
RMカラーマスターの色板を参考に、結晶塗装用の塗料原色(リンター)の「黒」「白」「オレンジ」「黄色」「青」を混ぜて色を作成します。
ちなみにSTANDOXにも車体色の色見本帳は各メーカー毎にありますが、全てが揃っているという訳ではありませんし、それを探し出す作業もかなりの手間となります。
今回は「大体似た感じ」という事なので画像を参考にしても良かったのですが、タイミングベルトカバーが熱で変形してしまった場合、そちらは通常塗装(STANDOX艶消し塗装)となり、ヘッドカバーの結晶塗装と色ブレが大きくなったら嫌なのでこうしてみました(塗装屋さんが見たら面倒くさい事やってるなぁ…と思うでしょうね)。
そして本塗り完了です。お待たせしました!
ゴミが付着しているように見えますが、これがサンドブラストを行った際に出来る毛羽立ちです。1コート目はもっと全体にブツブツしていて、塗り重ねる毎にそれが埋まっていくのですが、大きい物は最後まで残ります。
その後熱を入れるとチヂレ模様=結晶目が出てきます。
今回は予想通りタイミングベルトカバーは変形せずに済みました!(ただもう一度焼くのでまだ予断は許されませんが)
良い具合の結晶目が出てくれたと思います。
この後一晩以上寝かし、後日2度目の焼き付けを行います。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!